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永住権申請:最終面接はアメリカ、それとも母国で受けるべき? 選択のポイントとは

永住権申請では、プロセスの最後に実施される面接を、米国内にある米国移民局で受けるか、母国にある米国大使館で受けるかを選ぶことができます。米国で面接を受ける方法を在留資格/ステータス変更 (Adjustment of Status / AOS)、母国で面接を受ける方法を移民ビザ申請 (Consular Processing / CP)といいます。

どちらの方法で面接を受けるかを決める際、考慮すべきポイントがいくつかありますが、単に場所だけの問題ではなく、ビザの種類、現在の居住地、母国の違いによっても異なります。ここでは、見落とされがちなポイントをいくつかご紹介します。 

まず、永住権申請中に米国外への渡航が可能かどうかという点が挙げられます。AOS、すなわち米国内で面接を受ける方法を選択した場合、国外へ出国するためには、米国移民局から渡航許可証の発給を受ける必要があります。ですが、発給までには申請から最大6ヶ月ほどかかることから、長期に渡って米国内に足止めされることを懸念し、申請中も米国外への渡航が制限されないよう、AOS ではなく、CPを選ぶ人もいます。

次に、プロセスにかかる時間もポイントとなります。2020年始めの時点では、AOSは約1年、CPは約6ヶ月が目安でした。その後、パンデミックにより、2020年3月から2021年3月までCPのプロセスが止まりました。現在でも、手続きに遅れが出ており、特に中国やインドといった永住権の申請者の多い国では大幅に滞っています。2021年10月現在、AOSのプロセスには約1年、CPには最大で2年かかると推測されています。

また、米国政府の結論に異議を申し立てることができるかどうかという点も重要なポイントです。AOSでは、米国内で面接を受けた結果、永住権の申請が却下された場合でも、連邦裁判所へ不服を申し立てることができます。一方のCPでは、母国の米国大使館で面接を受け、申請が却下された場合、それは最終決定となり、異議を申し立てることはできません。

ところで、現在、米国移民局は、雇用主がスポンサーとなる永住権申請の約90%のAOSケースに対して、面接を免除しています。CPではこのような措置はありませんので、雇用ベースの永住権申請を進める申請者にとっては、AOSかCPかの決め手となる材料かもしれません。ただし、この「面接免除」は、今だけの措置で、長くは続かない可能性も大いにありますので、注意が必要です。こうした、米国政府のその時々のプロセスの仕方、方針、動向もひとつの判断材料になるわけですが、例えば、トランプ政権下では母国での面接を希望する申請者が多く見られ、一方、現在のバイデン政権下では、流れがその逆になっています。当局の動きに合わせて、申請者も動きを変えていることがわかる例と言えます。

米国か、母国での面接か—–。当事務所では、申請者それぞれの状況に応じたアドバイスをしていますが、最終的には、個人の判断に委ねられています。どちらが正しい、ということではありませんので、最適と考える方法を選択してください。

面接場所を選択する判断にお困りの場合は、当事務所までお気軽にお問合せください。個々の状況を詳しく伺った上で、アドバイスをさせていただきます。

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