グリーンカードの有効期限が近づいてから(あるいは、さらに悪い場合は、すでに失効してから)慌てる方は少なくありません。中には「更新を逃すと、ICE(移民・関税執行局)や空港でトラブルになるのではないか」と不安に思う方、更新手続きが思ったように進まず、落ち着かない日々をお過ごしの方も多いことでしょう。グリーンカードの意味、更新にかかる期間、そして、更新の手続きが遅れた場合の対処法については誤解や混乱が多いため、更新前に知っておきたい重要なポイントをご案内します。 更新申請はお早めに! グリーンカードの更新は、有効期限の6か月前から申請することができます。現在の状況下では、これを更新申請のための単なるガイドラインとして捉えず、できるだけ早めに申請することが賢明です。現在、更新手続きにかかる期間は個々のケースによって大きく異なり、1週間程度で完了することもあれば、2年近くかかることもありますから、早めに申請すれば、その分、手続き中の不安やトラブルを回避できる可能性が高まります。 また、オンラインによる申請は、申請書類を米国移民局へ郵送する場合に比べ、プロセスが早く進む傾向にあります。申請書類の提出後にはReceipt Notice (受理通知書 / Form I-797) が発給されますが、これは更新を申請したことの証明となり、グリーンカードの有効期限は自動的に最長24か月延長されます。すなわち、お手元に失効したグリーンカードしかなくても、永住権保持者であることを証明することができるのです。 有効期限が切れてもステータスは継続している? 「グリーンカードの期限が失効すると、合法的な滞在資格(ステータス)がなくなる」と思う方もいますが、これは誤解です。カードの有効期限はあくまでカード自体の期限であり、永住権保持者としてのステータスを失うわけではありません。 しかしながら、有効なグリーンカードや受理通知書が手元にない場合、ステータスを証明する物理的な証拠がなく、トラブルを招くことも考えられます。そのためにも、早めに更新を申請すること、書類の控えを保管しておくことが非常に重要なのです。 米国市民権の検討 10年ごとに訪れるグリーンカード更新の手間や費用の負担が気になる方は、帰化して米国市民になることを検討するタイミングかもしれません。米国市民になれば、もちろん、永住権の更新は不要となり、米国パスポートも取得できます。ただし、日本は二重国籍を認めていないため、米国市民になる場合は日本の国籍とパスポートを手放す必要があります。これは人生において大変大きな決断でしょうから、容易に決められないかもしれません。一方、二重国籍が認められている国の方であれば、米国市民になることは長期的にメリットのある選択肢といえます。 企業の人事担当者向けの注意点 企業が従業員のグリーンカードの更新状況を把握していないことは少なくありません。特に、もともとEビザやLビザで入社し、その後にグリーンカードを取得した従業員の場合、有効期限の認識が曖昧になりやすい傾向にあります。 人事担当の皆様は、従業員のグリーンカードの有効期限も定期的に確認し、早めの更新手続きを促すなど、積極的に対応してください。 焦らず、でも行動は早めに グリーンカードの有効期限が残り6か月以内、または、すでに失効している場合は、すぐさま行動を起こしましょう。できるだけ早く申請書類の提出を済ませ、また、申請後は受理通知書を大切に保管してください。新しいグリーンカードがまだ届かず、海外旅行からの再入国や行政上の強制執行を懸念される場合は、一時的な渡航書類やステータスの証明について、専門家に相談することをお勧めします。 新しいグリーンカードの発給が遅れたり、手元にステータスを証明する書類のない期間があっても、必要以上に不安にかられないでください。確かに、現在の移民手続きには時間を要したり、進み方も一貫性がありませんが、対処法はありますので、落ち着いて行動しましょう。グリーンカードの更新、市民権申請についてご質問のある方は、ブランドン・バルボ法律事務所までお気軽にお問い合わせください。
