Form I-9 は、米国市民であれ、外国人労働者であれ、ステータスに関係なく、米国での雇用には欠かせないステップで、すべての労働者が提出し、すべての雇用主が確認しなくてはなりません。連邦移民法を遵守するためには、I-9プロセスを正しく完了させることが重要です。逆に、ちょっとした誤りや遅れが、不必要な事態を招くこともありえますから、安心して就業するためにも、必要な書類や手順を正しく理解、早めに準備、そしてI-9プロセスをスムーズに終わらせましょう。 セクション1は、雇用開始日よりも前に完了 Form I-9のセクション1 は、雇用のオファーを受け次第、記入することができます。「オファーを受け次第」であって、「雇用開始日」ではないのです。つまり、「雇用開始日前」には完了させることができるわけです。このセクションは、基本的な個人情報や就労許可のステータスを申告、宣誓する箇所で、雇用のオファーがある前に提出はできませんが、事前に記入を完了しておけば、実際に仕事を始める日には、雇用主による書類確認のみでプロセスを終わらせることができ、不必要な遅延を防ぐことができます。 雇用主は、労働者が仕事のオファーを受ける前にセクション1の記入を求めることはできませんが、雇用が確定した後であれば、記入を待つ理由はありません。このステップを事前に済ませておけば、仕事を始める時、些細なエラーや情報の不足によって、土壇場で問題を引き起こすこともなくなるでしょう。 期限内に原本を提示 従業員は、就業開始から72時間以内に、身元と就労許可を証明する書類の原本を提示しなくてはなりません。雇用主には必要な書類を期限内に提示しなかった従業員を解雇することが法律で義務付けられているため、ぐずぐずしていると、雇用取り消しという深刻な事態を招きかねません。 そのため、従業員は雇用初日までに必要な書類の原本を手元に用意しておくことが非常に大事です。政府の規定により、書類の提示は原本のみで、コピーは認められていません。社会保障カードやパスポートなどの取得、更新、再発給が必要な場合は、予め手続きを済ませておくことが肝心です。早めの準備を心がけ、不必要なトラブルを回避し、雇用を維持できるよう、努めてください。 リモート認証の利用資格を確認しましょう I-9プロセスの効率化に向け、米国移民関税執行局 (ICE) は、対面による書類確認に代わる方法を認可しました。これにより、一部の雇用主はI-9プロセスに必要な書類確認を、従業員が直接書類を提示する代わりに、リモートで確認できるようになりました。ただし、このオプションは、すべての雇用主が利用できるわけではありません。 雇用主がリモート認証の資格を得るためには、E-Verifyに登録し、システム上、良好なステータスである必要があります。資格を備えた雇用主は、リモート認証を選択した場合、特定の手順に従いながら、従業員の書類をリモートで確認することができます。このオプションは、リモートで働く従業員や、雇用主のオフィスが遠方にある従業員にとっては大変有益な方法です。 なお、適格性を確認しないまま、リモート認証を利用することは避けましょう。雇用主がリモート認証を許可されていなかった場合、対面での書類確認が必要になります。このオプションが利用できるのかどうか、早い段階で雇用主と確認してください。 経験豊富なビジネス移民弁護士に相談を Form I-9やそのプロセスに関する誤りは、雇用問題、コンプライアンス違反、不必要なストレスにつながります。ブランドン・バルボ法律事務所では、従業員や企業がこれらの問題を適切に処理できるよう支援しています。書類作成、確認の手順、雇用資格に関する懸念など、どのようなガイダンスが必要な場合でも、まずは弊所までお気軽にご相談ください。
