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飲酒運転や万引きでも拘留や強制送還の対象に?

概要:レイケン・ライリー法(Laken Riley Act)の施行により、米国ビザ保持者が飲酒運転(DUI)や万引き等の犯罪で逮捕された場合、有罪判決の有無に関わらず、移民拘留が義務付けられることになりました。軽微な違反や犯罪であっても、長期間の拘留や強制送還の対象となる可能性もあるため、外国人労働者を雇用する企業は、このリスクを従業員に周知する必要があります。 これまでは、飲酒運転(DUI)や万引きといった軽微な違反や犯罪により、ビザ保持者が強制送還されることはほとんどありませんでした。多くの場合、罰金を支払い、保護観察を終えれば、米国での生活をそれまで通り続けられたものです。しかし、それはもはや過去の話で、レイケン・ライリー法の下では、軽犯罪でも、保釈なしの強制的な移民拘留、場合によっては米国からの国外追放にもつながり、たった一つの過ちから、数か月に及ぶ拘留や多大なる影響を受ける可能性があるのです。 レイケン・ライリー法とは? 2024年に米国下院で可決されたレイケン・ライリー法は、2025年にトランプ大統領によって署名、施行されました。これは、米国内で犯罪を犯した非米国市民に対する取り締まりの強化を目的としています。 重要な点は、窃盗、飲酒運転、特定の軽犯罪で逮捕された非市民は、罪の軽微さや、後に有罪判決を受ける受けないに関わらず、保釈なしで拘留される可能性があることです。   以前は、飲酒運転や万引きといった違反により、ビザが取り消されることはあっても、拘留にまで至ることはありませんでした。ビザが取り消されたことで渡航に制限が生じるものの、引き続き米国内で生活や仕事を続けられましたが、今後は、たとえ初犯で暴力性がなくても、拘留が義務付けられます。 飲酒運転の深刻なリスク 日本では飲酒しても電車などで帰れますから、飲酒運転は稀でしょう。しかし、公共の交通機関が限られている、車社会の米国では、初めて米国を訪れる人でも、リスクの深刻さに気づかないまま、飲酒後にハンドルを握ってしまうケースが後を絶ちません。 これまでは、飲酒運転でビザが取り消されても、日本へ帰国し、医療機関がアルコール依存症でないことを証明すれば、「やり直す」ことができました。しかし、レイケン・ライリー法の下では、飲酒運転で逮捕されたビザ保持者は、直ちに移民当局に拘束、釈放されずに拘留される恐れがあるのです。 たとえ、誰にも怪我を負わせておらず、法的要件を全て満たしていても、国外退去の手続きが進められることも考えられます。もはや、裁量的な審査や保釈は期待できません。 万引きなどの軽犯罪も深刻な結果を招く もう一つの大きな変化は、万引きといった、いわゆる軽犯罪に関するものです。今までは、初犯で、かつ、価値の低い物品の万引きであれば、拘束されたり、強制送還されることはありませんでした。 しかし、このレイケン・ライリー法の下では、たった一度の万引き容疑であっても、強制的な移民拘留につながる恐れがあり、学生ビザ(F-1)、就労ビザ(H-1B等)、EビザやLビザ保持者は、刑事事件が解決する前に拘留され、強制送還の対象となる可能性もあります。 つまり、刑事手続きと移民手続きが同時に進む間、数週間から数ヶ月にわたり拘留される可能性があるということです。 企業が知っておくべきリスク 外国人労働者、特にEビザ・Lビザ・H-1Bビザで働く従業員がいる場合、企業にも大きな影響を及ぼします。一人の従業員が犯した個人的な過ちが原因で、突然チームから離脱したり、業務に支障がでたり、さらには今後のビザ申請に影響が及ぶこともありえます。人事担当の方々は従業員に対し、一見軽い法的違反であっても、重大なリスクが伴うことを伝えるべきでしょう。今や米国政府は、国家安全保障および公共の安全という観点から、どんなに軽微な犯罪であっても「犯罪は犯罪」という姿勢で取り締まっているのです。 今後の展望 レイケン・ライリー法は、米国の移民取り締まりの在り方が大きく変わったことを示しています。ビザ保持者は、有罪判決がなくても、刑事事件に関われば深刻な状況に直面することを覚悟した上で行動しなければなりません。 逮捕されれば保釈は認められず、裁判中も拘留され、その後強制送還のための移民拘留所へ移送されることも、裁判官に会うまでの数か月もの間、拘留されることも考えられるでしょう。 たとえ長年米国で暮らし、働き、税金を納めていたとしても、一度の過ちですべてが破綻しかねない、米国刑法の厳しさを理解しなくてはなりません。 今や移民拘留は、暴力犯罪や国家安全の脅威となるケースだけではありません。この法の下では、万引きや飲酒運転などの軽微な違反も、強制的な拘留や国外追放へ直結します。米国ビザ保持者は、些細と思われる過ちが取り返しのつかない事態を招くこと、そして、もはや「やり直しのチャンスはない」ことを肝に銘じておくべきです。 レイケン・ライリー法が生活やビジネスに与えるインパクトに不安を感じる人事の方、そして、ビザ保持者の方は、ブランドン・バルボ法律事務所まで、お気軽にご相談ください。

移民手数料の最新動向:ESTAからビザ・インテグリティ・フィーまで

概要:2025年、ESTA(電子渡航認証システム)の手数料は40ドルへ値上がりし、さらに同年10月1日には、250ドルのビザ・インテグリティ・フィー(Visa Integrity Fee)が新たに設けられました(現時点ではまだ徴収は始まっていません)。米国の移民手数料は、今後も値上げされる傾向にあり、企業やビザ申請者は、近い将来、さらなる費用が発生することを見越した上、予算を組む必要があります。 米国ビザの申請や渡航にかかる費用はすでに負担の大きいものですが、今後さらにその負担が増えるかもしれません。国土安全保障省(DHS)や米国移民局(USCIS)は、新たな手数料の導入や既存の手数料の値上げを進めており、その影響はESTAを利用する観光客の方々から、就労ビザを申請する企業まで、幅広くに及びます。とりわけ、2025年10月1日に導入された250ドルのビザ・インテグリティ・フィー(Visa Integrity Fee)なる新たな費用は、まだ施行はされていないものの、今後の実施に向け、注目すべき大きな変更点といえます。 ESTA手数料が40ドルへ値上げ 日本をはじめ、ビザ免除プログラム(Visa Waiver Program)に参加している国の国民は、ESTA(電子渡航認証システム)を利用し、ビザを取得せずとも米国への入国が認められています。2025年、ESTAの手数料は従来の21ドルから40ドルへ値上げされました。一見すると、20ドル程度の少額な値上げのようにも見えますが、実際はほぼ2倍となる大幅な値上げです。このように、近年の移民手数料は従来と比べ、値上げ率が高く、改定される頻度も多くなる傾向にあります。 250ドルのビザ・インテグリティ・フィーとは? 2025年10月1日、ビザ申請1件につき250ドルのビザ・インテグリティ・フィー(Visa Integrity Fee)という新たな手数料が設けられました。 現時点では政府側に支払いを処理・管理するシステムが整っていないことから、徴収はまだ始まっていませんが、施行されることはすでに決定しています。 この手数料は非移民ビザの申請者全般に適用され、その目的は「ビザ制度の整合性や適正化を支持するため」とし、具体的な説明はありませんが、企業や従業員、申請者にとって新たな負担となることは間違いありません。 手数料改定は今後も続く これまで長年にわたり、米国の移民関連の手数料は比較的安定していました。しかし、現在は、インフレ、政策の変化、行政再編を背景に、頻繁かつ予測不可能な手数料値上げの時代に入りつつあります。 就労ビザカテゴリーの申請者には直接的な影響はないかもしれませんが、最近、米国移民局(USCIS)は、亡命関連の申請や労働許可証(EAD)の手数料の値上げを発表しました。しかし、これらの値上げに止まらず、今後も手数料は頻繁に見直され、改定されていく見込みです。 さらに、既存の手数料の値上げだけでなく、ビザ・インテグリティ・フィーのような全く新しいカテゴリーの手数料が、ほとんど予告なく新たに設けられることも予想されています。 企業や日本企業にとっての影響 今後、日本の企業が従業員を米国へ派遣する場合、1件のビザ申請(Eビザ、Lビザなど)で、数百ドル単位の追加コストがかかるようになります。さらに厄介なのは、こうした変更が事前に周知されず、運用も不十分であることが多い点です。ビザ・インテグリティ・フィーを例にとると、2025年10月1日に規則が発効されましたが、支払いのシステムはまだ整っていません。システムが稼働すれば、手数料を遡って請求されたり、支払いが完了するまで案件を保留される可能性もあり、正直なところ、どうなるかはまだ誰にも分かりません。 本年度の従業員の米国派遣を計画する時には、手数料の値上げ分も見越した、余裕のある予算を組むこと、そして、新たな手数料が導入される際には事務的な混乱が起こり得ると、心の準備をしておくことが大事です。 ESTA利用者も無関係ではない ESTAを利用する旅行者にとっても、近年の傾向は無視できません。ESTA申請料も40ドルへ値上げされましたが、これまで比較的手軽に利用できた渡航オプションもまた、費用面での負担が徐々に伴いつつあることを意味しています。 そもそもESTAには大きな制約があり、90日以内の滞在、延長不可、加えて就労も認められていません。そこに手数料の値上げや、近年の入国審査の厳格化が重なり、ビジネスミーティングなどで頻繁に米国を訪れる人にとっては、もはやESTAは合理的な選択肢ではなくなりつつあります。 多国籍企業の人事担当の方々、初めてE-2ビザを申請する企業にも、伝えたい内容は同じです:ビザ費用は上昇し、その上、新たな手数料が十分な予告、説明、準備もままならないまま導入されていくーーこれが米国の移民料金制度の現状です。それでも企業や申請者は、こうした現状に迅速に適応し、対応していくしかないのです。 今後のビザ申請に向けたプラン、増加する手数料を見越した予算管理など、最近の動向や費用の全体像についてのご質問は、弊所までお気軽にお問い合わせください。

反米的な見解を理由に拒否?―米国移民局の新しい方針

概要:米国移民局の新たな政策により、INA第313条(a) の下、「反米的な活動」と判断し、それを理由に移民措置を拒否する、または取り消す権限が益々行使されています。「反米的」の基準は明確ではありませんが、近年、ソーシャルメディアへの投稿や抗議活動、政府や政策に対する意見などを標的にする事例が増えています。ビザ保持者は、米国国務長官がいつでもビザを取り消すことができること、そして、自身の発言が言論の自由で必ずしも守られているとは限らないことを理解しておくべきです。また、外国人を雇用する企業は、政治的な発言がいかにビザや滞在資格に影響を及ぼすかを従業員に理解させる必要があります。 米国移民局の新しい方針により、これまで長年あった法的権限が、実際に積極的に行使されていることから、ビザ保持者や申請者の間で不安の声が広がっています。INA第313条(a) は、個人が「米国政府に反する」行為に関与していると見做された場合、政府はその個人の移民上の措置やベネフィットを拒否または取消ができる、と定めています。最近のガイダンスが新たな法律として制定されるわけではありませんが、昨今の動向は、既存の権限を行使する方向へ積極的に移行していることを示しています。 これは、ビザ保持者、申請者、あるいは外国人を雇用する企業にとって、想像以上に深刻な内容かもしれません。 INA第313条(a) とは? INA第313条(a) は米国移民法の条文のひとつで、政府に反する活動を支援したり、反米的な立場を取る個人に対し、政府が権利や資格を拒否できることを示す条文です。その文言は意図的に広範に記されており、最近では、この条文を引用する頻度が増えています。 米国移民局は2024年にこの権限がどのように使われるかを明確にするため、ガイダンスを更新しました。「反米的」と見做される活動、過激派組織との関係、さらには公の場での発言など、様々な問題に焦点を当てています。ここでの最大の懸念は、広範な権限を持つ米国移民局や米国国務省による裁量――つまり、「何が一線を越えるか」の判断は、米国移民局や米国国務省の裁量に任せられており、その判断に対して控訴することはほとんどできません。 米国国務長官はいつでもビザを取り消せる 米国国務長官は、これまでも一方的にビザを取り消す権限を持っていました。目新しいのは、その権力がどれだけ頻繁に、広範囲に行使されるようになったか、です。ルビオ国務長官の就任以降、政治的な言論、特にパレスチナ問題、米国の外交政策、政府への批判などに関する発言を理由にビザが取り消される事例が急増しています。 私たちも、明確な説明なしにビザを取り消すというメールを受け取った事例を目の当たりにしました。メールには「あなたのビザステッカーは取り消されました。速やかに帰国してください」といった内容だけが記されているのですが、多くの場合、出国義務が自動的に生じるわけではありません。とはいえ、ビザステッカーは失効していますので、米国をひとたび出国すれば、再入国はできなくなります。 「反米」とは何を指すのか?  残念ながら、何をもって「反米的」と見做されるかは非常に曖昧で、判断のためのチェックリストがあるわけでもなく、政府もまた具体的な定義を示していません。つまり、判断する側の見方、受け止め方、考え方などに大きく左右される、ということなのです。 政府を批判するソーシャルメディアへの投稿、コンテンツの共有、平和的な抗議活動への参加であっても対象となることがあります。これらは犯罪ではありませんので、罪に問われることはありません。しかし、有罪無罪に関わらず、政府が「問題あり」と見做せば、それだけで十分な理由となるのです。 外国人に言論の自由はあるのか? 米国では、アメリカ合衆国憲法修正第一条によって言論の自由が保障されていますが、ビザ保持者や申請者の政治的発言に対しても同様に保障されるのか、裁判所は未だ完全には判断していません。 米国滞在中の外国人であっても、例えば、修正第四条および修正第五条は保障されています。ところが、修正第一条は曖昧で、増してや、その外国人の入国自体をそもそも認めるべきか否かが問題の場合は、なおさら曖昧です。 言い換えれば、たとえ合法的に米国に滞在していても、政府が、些細な発言から米国への姿勢に疑問を感じたり、危害の意図があると判断した場合には、ビザや滞在資格に影響を及ぼしかねない、ということなのです。 企業・人事担当者が知っておくべきこと 米国で事業を展開する日本企業にとっては、少し遠い話のように思えるかもしれませんが、決して他人事ではありません。従業員がソーシャルメディアで投稿・共有した内容が要注意と判断された場合、ビザが拒否されたり、取り消されてしまう可能性は否めません。 これは大げさな話ではなく、裁量を委ねられている審査官の目に留まり、気に入らないと判断されれば、INA第313条(a) を用いてビザが却下または取り消され、ひいては、E・L・H-1Bビザの外国人を多く雇用する企業であれば、他のチームメンバーやビジネス自体をも危険にさらすことにもなりかねません。オンラインでの発言や投稿のリスク、プライバシーの設定、そして、たったひとつの投稿が法的に影響を及ぼしかねない点を従業員にしっかりと理解させることがとても大切です。 米国政府は現在、INA第313条(a) の下、政治的な理由で移民上の措置を拒否する、あるいは、取り消す権限を積極的に、公然と行使しています。憲法上問題があるかどうかは別として、その影響は即刻かつ深刻です。 ビザ保持者や申請者、ビザをスポンサーする企業は、書面の規則を守るだけでは、もはや不十分です。言動が与えうる印象や感覚についても考えましょう。今まさに、受け手側のその感覚によって、物事が判断されているのです。ビザの却下・取消に関してご不明な点がありましたら、お気軽にブランドン・バルボ法律事務所までお問い合わせください。

ビザ審査とは? 米国は5,500万人を監視できるのか?

概要:米国では現在、ビザ保持者に対する「継続的な審査(Continuous Vetting)」が適応されており、犯罪歴からソーシャルメディア上の発言まで、幅広く確認されています。このプログラムによれば、約5,500万人ものビザ保持者が監視の対象とされていますが、実際に影響を受けやすいのは留学生や特定のビザカテゴリーに偏っているのが現状です。ビザステッカーが取り消された場合、必ずしもすぐに米国から退去しなければならないわけではありませんが、再入国はできなくなります。そのため、企業や個人は、特にオンライン上で発信する情報には十分注意する必要があります。 「ビザが承認されればひと安心」と思いがちですが、米国政府の見解は異なります。ここ数年でビザの審査方法は、申請時のバックグラウンドチェックに止まらず、その後もソーシャルメディアでの発言、過去の行動、さらには政治的見解までもが継続的に監視されるプロセスへと大きく変化しています。一見するとセキュリティ対策のように聞こえますが、留学生や駐在員、そして外国人労働者を雇う企業にとっては深刻な懸念をもたらします。 「継続的審査(Continuous Vetting)」とは? 米国国務長官は、何十年も前からいつでもビザを取り消せる権限を持っていましたが、ポイントは「権限そのもの」ではなく、その権力がどれだけ頻繁に、どの程度広範囲に行使されるようになったか、です。 現在の米国政府は「継続的審査」の名のもと、約5,500万件の発給済ビザの記録を継続的に見直す計画を進めています。審査の対象となるのは、身元情報の再確認、公的活動、さらにはソーシャルメディアでの発言内容などが挙げられます。 しかしながら、現実的に5,500万人ものビザ保持者を「実際に意味のある形」で審査するのは不可能です。審査官がビザ保持者個々人の勤務先や学校を訪ね、ビザの申請時通りの活動を続けているかを確認するなど、物理的にも、論理的にも成り立ちません。ところが、そうした監視制度を可能にする仕組みが着実に整えられつつあるのです。 実際に監視されていること この「継続的審査」で特に対象となりやすいのは次の方々です。 留学生や比較的年齢の若いビザ保持者 飲酒運転(DUI)を含む、逮捕、犯罪、有罪歴がある人 「反米的」と見なされる投稿や発言をする人 たとえば、学生が米国の政治に関する意見をソーシャルメディアに投稿したり、特定のオンラインコミュニティに参加しただけで、ビザが取り消された実例が報告されています。 通知のタイミングも様々で、渡航前にビザの取り消しが通知される場合、入国時に空港で止められる場合、米国に滞在中に通知が届く場合もあります。 米国大使館から届く通知メールには「あなたのビザステッカーは取り消されました。速やかに帰国してください」といった内容が記載されており、これで全てが終わったかのように感じますが、実はそうとも限らないのです。 ビザステッカーが取り消されても米国滞在は可能 「ビザステッカーが取り消される=すぐに帰国しなければならない」と考えられがちですが、すでに米国内に滞在している場合、ビザステッカーが取り消されたからといって、自動的に出国義務が生じるわけでもありません。ビザステッカーは無効になりますが、滞在資格そのもの(F-1ステータスやH-1Bステータスなど)は、引き続き有効な場合があります。 つまり、米国政府が正式に退去手続きを進めない限り、米国内で仕事や学業を続けることは可能なのです。とはいえ、渡航に必要なビザステッカーはすでに無効になっていますから、ひとたび米国を出国すれば再入国ができませんので、無論、安心できる状態とは言えません。 このビザステッカー取り消しのプロセスは、不法就労、ソーシャルメディアへの不用意な投稿をする学生に特に多く見受けられ、そのリスクを高めています。よって、日頃から、ソーシャルメディアでの発言やオンライン上の活動には十二分に注意しなくてはなりません。 ソーシャルメディアのたった一つの投稿が。。 よくあるのは、無許可のアルバイトをソーシャルメディアに得意げに投稿する学生で、「XXXでのアルバイトが楽しい!」といった内容を投稿した学生が再入国を拒否された実例も報告されています。すなわち、審査官はソーシャルメディアを監視しており、さらに、削除された投稿も専用ツールで確認できますから、「都合の悪い投稿は削除すれば大丈夫」ではないのです。 「みんなやっていることなのに。。」と困惑しながら相談される方もいますが、残念ながら、その理屈は通りません。違法な就労など、そのビザクラスの要件に違反し、その内容を堂々と投稿すれば、ビザステッカーの拒否や取り消しもやむを得ないと言わざるを得ません。 実は、米国政府は2019年より、ビザ申請時にソーシャルメディアのアカウント情報(ハンドルネーム)の収集を始めましたので、これは最近始まったポリシーではありません。ただ、最近、その情報がより積極的に管理や審査に利用されるようになった、ということなのです。 企業・人事担当者への注意点 外国人従業員を雇用する企業にとって、この「継続的審査」は決して他人事ではありません。現時点でリスクが最も高いのは学生ビザ保持者ですが、同じ審査がH-1BやL-1などの就労ビザ保持者に拡大される可能性は否めません。 米国政府がこのプログラムをどこまで進めるか不明ではあるものの、全従業員に、ソーシャルメディアへの投稿に伴うリスク、そして、個人の行動が企業全体に与えうる影響を伝え、理解させる必要があります。たったひとつの投稿が、審査結果を「承認」から「却下」へ逆転させてしまいかねないのです。 この「継続的審査」はすでに始まっており、米国政府はこれまで以上に権限を行使し、正式な手続きなしにビザを取り消しています。留学生やビザ保持者、外国人従業員を雇用する企業にとって、これは、「自分には関係ない」「ただのニュースや情報」ではなく、現実的なリスクを伴うプログラムであることを理解しておいてください。「継続的審査」に関する詳細、ご相談は、ブランドン・バルボ法律事務所まで、お気軽にお問合せください。

H-1Bビザの抽選制度はまだ続く? 中小企業に及ぼす大きな変化

長年、米国企業は新卒者や人材の見つかりにくい技術者を雇用する際、H-1Bビザの抽選制度に依存しつつ、外国人を雇用してきました。しかし、この制度が今、大きく変わろうとしています。 現行のランダムな抽選によるH-1Bプログラムは、今後、給与に基づく制度へ移行するかもしれません。すなわち、高額な給与を提示できる企業が優先され、競争力はありながらも、中級レベルの給与しか提示できない中小企業に不利になる可能性があるのです。 そのため、H-1Bプログラムを通じて採用を考えている企業は、早めに準備を始め、EビザやLビザなどの代替案を検討するとともに、米国移民局 (USCIS) から今後発表されるルールの変更に注視していく必要があります。とりわけ、中小企業の場合は、どのように変わるのか、どのような影響を受けるのかを正しく理解することがとても大切です。 現在の抽選制度の仕組み 現在のH-1Bビザのプロセスは、ランダムに申請者が選ばれる抽選制度に基づいています。雇用主が短い応募期間内(通常は2月に実施)にオンライン登録を済ませた後、抽選が行われます。抽選で選ばれた雇用主には3月31日までにその旨が米国移民局より通知され、そして、ようやく申請書類を提出することができる、という仕組みです。 H-1Bビザは年間発給数に限りがあり、一般申請者が65,000枠、米国の修士号以上の申請者が20,000枠、合計85,000枠までの発給が認められています。2024年度には、米国移民局 (USCIS) に758,994件の応募がありましたが、そのうち抽選で選ばれたのはわずか188,400件(24.8%)に過ぎませんでした。この数字からも、需要が供給をはるかに上回っていることがわかります。 何が変わるのか、そしてなぜ重要なのか 先日、米国移民局は、まもなくH-1Bプログラムに大幅な変更がある可能性が高いことを示唆しました。現行のランダムな抽選から、給与に基づく制度へ切り替えられる可能性があり、高額な給与を提示できる企業から順にH-1Bビザが割り当てられていくというものです。 この案は、前期トランプ政権の最後の数か月間に提案されたもので、「より高度なスキルを持つ労働者を優先することを目標とする」と表明されましたが、現実には以下の内容を意味します。 予算が大きい大手企業(特にテクノロジー業界)がH-1B枠を独占する可能性がある 初級、中級レベルの給与を提示することの多い中小企業、スタートアップ、非営利団体は、H-1B枠を全く確保できない可能性がある もしも高額な給与の提示をすぐに受けられない場合、米国の大学を卒業する留学生は、ビザスポンサーを失う可能性がある 最終的なルールはまだ発表されていませんが、前期トランプ政権時代の提案に近い内容になると予想されています。決定されれば、次回のH-1B申請から適用される可能性があります。 過去の実例:制度が一部を優遇する 1980年代後半から1990年代初頭にかけて、米国では「多様性ビザプログラム(Diversity Visa Program)」と呼ばれるグリーンカードの抽選制度が導入されました。この制度では、年間55,000件までのグリーンカードが抽選で付与されていましたが、ある年、そのうち約20,000件(全体の3分の1以上)がアイルランド出身の応募者に付与されたことがありました。 これは統計的にありえない数字で、何らかの操作があったと考えられますが、結局、調査は行われませんでした。この出来事は、抽選制度であれど、政治的な意図や特定のグループへの “えこひいき” は起こり得るという印象を強く残しました。 そして、今、私たちは給与額による “えこひいき” を目撃することになるのかもしれません。 今、雇用主ができること もし来年のH-1B申請を検討している場合、以下のステップを参考にしてください: 早めの計画 2026年の登録期間は2月に開始され、3月中旬までで締め切られる見込みです。 現実的な予算 […]

ESTAで米国へ入国する前に知っておきたいこと

「ESTA(エスタ)」は便利な制度ですが、「ビザ不要=ルールなし」ということではありませんし、米国への入国を保証する「フリーパス」でもありません。意図せずとも誤った行動を取れば、米国税関・国境警備局(CBP)にマークされたり、尋問されたり、最悪の場合は入国を拒否されることもありえるのです。ESTAを利用して米国へ入国する場合、制限やリスクもあることを予め理解しておきましょう。 ESTAとは何か ESTAは、「電子渡航認証システム(Electronic System for Travel Authorization)」の略称で、ビザの一種ではありません。これは、日本を含む特定の国の国民が、事前に何かしらのビザステッカーを取得せずとも米国を訪問することを可能にするシステムです。渡航前にオンラインで登録するだけですが、最終的に米国へ入国できるか否かは移民審査官の判断に委ねられています。 ESTAで認められている活動内容は、B-1/B-2ビザの内容と同じで、例えば、会議や学会への参加、観光は問題ありませんが、米国内での就労や学校への通学は認められていません。但し、B-1/B-2ビザとは異なり、滞在は最長90日までで、滞在期間を延長することは出来ません(ごくまれな医療上の理由をのぞく)。 ESTAで注意すべき「90日間の制限」 上述のように、ESTAを利用して入国する場合、1回の訪問ごとに最長90日までの滞在期間が認められます。このルールは絶対で、滞在期間を延長したり、在留資格を変更するといった申請は一切認められていません。もし、90日の滞在期間を超えて米国内に滞在した場合、現行のポリシー下では、生涯にわたってESTAの使用が禁じられます。 非常に限られた例外として、医療上の緊急事態により、一度きりの30日間の延長が認められたケースがありましたが、これには強力な証拠が必要で、決して自動的に許可されるものではありませんし、一般的な方法でもありません。 渡航の頻度に要注意 ビジネスや家庭の理由で、数週間ごとにESTAを利用して渡米する方々がいますが、複数の訪問を繰り返すと、入国審査官から質問を受ける可能性が高まります。場合によっては「渡航頻度が多すぎる。ビザを申請すべき」と指摘され、その時は入国できたとしても、次回の入国は拒否される可能性もあります。 ESTAでの訪問回数に関する規定はありませんが、とはいえ、自由に、何度でも、簡単に米国への入国が認められているわけでもありません。頻度が多かったり、滞在期間が長いと、入国審査官に警戒されることは間違いありません。 フレキシブルな帰国便チケットの用意 ESTAを利用することでよくあるトラブルは、入国審査官に「数週間の滞在です」と述べたにも関わらず、提示した帰国便の日付が89日後など、ずっと後になっている場合です。これは入国審査官に誤った印象を与えますので、口頭で伝える滞在予定と一致する帰国便を必ず用意してください。 入国審査官にとって、審査上、最も重要なポイントのひとつが、「必ず帰国することの確認」です。例えば、訪問者が「2週間滞在します」と述べ、それに沿った日付の帰国便を提示していれば、帰国の意思はあると見做してもらえるでしょう。 なお、後々、日程を変更しなくてはならない場合に備え、柔軟に変更できるチケットを用意することが賢明です。 電子機器は確認されます 入国審査官は、スマートフォン、ノートパソコン、その他の電子機器に保存されている内容を調べることができ、実際に頻繁に実施されています。もし、それらの電子機器内に、米国で不法に就労していることを示唆するメールやテキスト、ファイルなどが見つかれば、たとえリモートワークであっても、入国を拒否される可能性があります。よって、冗談でも、まるで就労しているように思わせる文面を残したり、書類を持ち込むことは止めてください。また、ソーシャルメディアにおいても、誤解を招きやすい内容の投稿は控えてください。 ESTAでの就労は違法で、これは絶対に守るべきルールです。たとえ、米国外にある外国企業のリモートワークであっても、物理的に米国内にいる状態で作業を行う場合は疑問視される可能性があります。ルール違反と判断された場合、その場でESTAが取り消され、その日のうちに帰国させられることもありえます。 ESTAは便利だが、リスクがないわけではない 短期の訪問で、きちんとルールを守れば、大変便利なシステムであるESTA。滞在期間を超えず、渡航頻度も多すぎなければ、米国へ入国する手軽な方法といえますが、ビジネスや私的な理由で、頻繁または長期滞在が必要な場合は、適切なビザを申請することをお勧めします。 入国審査官に「ルールを知らなかった」という言い訳は通用しません。彼らが重視するのは、目の前に見える事実、つまり、渡航履歴、本人の発言内容、電子機器内のデータの内容です。少しでも不審に見えれば、その場は入国できたとしても、それが最後のESTA訪問になる可能性もあります。 次回の渡米は、ESTAを利用するべきか、それとも、B-1/B-2ビザを取得したほうが良いのか、判断にお困りの場合は、弊所までご相談ください。余計な不安やトラブルなしに、正しい方法で米国へ入国できるよう、お手伝いします。

グリーンカードの有効期限が近い? 更新前に知っておきたいポイント

グリーンカードの有効期限が近づいてから(あるいは、さらに悪い場合は、すでに失効してから)慌てる方は少なくありません。中には「更新を逃すと、ICE(移民・関税執行局)や空港でトラブルになるのではないか」と不安に思う方、更新手続きが思ったように進まず、落ち着かない日々をお過ごしの方も多いことでしょう。グリーンカードの意味、更新にかかる期間、そして、更新の手続きが遅れた場合の対処法については誤解や混乱が多いため、更新前に知っておきたい重要なポイントをご案内します。 更新申請はお早めに! グリーンカードの更新は、有効期限の6か月前から申請することができます。現在の状況下では、これを更新申請のための単なるガイドラインとして捉えず、できるだけ早めに申請することが賢明です。現在、更新手続きにかかる期間は個々のケースによって大きく異なり、1週間程度で完了することもあれば、2年近くかかることもありますから、早めに申請すれば、その分、手続き中の不安やトラブルを回避できる可能性が高まります。 また、オンラインによる申請は、申請書類を米国移民局へ郵送する場合に比べ、プロセスが早く進む傾向にあります。申請書類の提出後にはReceipt Notice (受理通知書 / Form I-797) が発給されますが、これは更新を申請したことの証明となり、グリーンカードの有効期限は自動的に最長24か月延長されます。すなわち、お手元に失効したグリーンカードしかなくても、永住権保持者であることを証明することができるのです。 有効期限が切れてもステータスは継続している? 「グリーンカードの期限が失効すると、合法的な滞在資格(ステータス)がなくなる」と思う方もいますが、これは誤解です。カードの有効期限はあくまでカード自体の期限であり、永住権保持者としてのステータスを失うわけではありません。 しかしながら、有効なグリーンカードや受理通知書が手元にない場合、ステータスを証明する物理的な証拠がなく、トラブルを招くことも考えられます。そのためにも、早めに更新を申請すること、書類の控えを保管しておくことが非常に重要なのです。 米国市民権の検討 10年ごとに訪れるグリーンカード更新の手間や費用の負担が気になる方は、帰化して米国市民になることを検討するタイミングかもしれません。米国市民になれば、もちろん、永住権の更新は不要となり、米国パスポートも取得できます。ただし、日本は二重国籍を認めていないため、米国市民になる場合は日本の国籍とパスポートを手放す必要があります。これは人生において大変大きな決断でしょうから、容易に決められないかもしれません。一方、二重国籍が認められている国の方であれば、米国市民になることは長期的にメリットのある選択肢といえます。 企業の人事担当者向けの注意点 企業が従業員のグリーンカードの更新状況を把握していないことは少なくありません。特に、もともとEビザやLビザで入社し、その後にグリーンカードを取得した従業員の場合、有効期限の認識が曖昧になりやすい傾向にあります。 人事担当の皆様は、従業員のグリーンカードの有効期限も定期的に確認し、早めの更新手続きを促すなど、積極的に対応してください。 焦らず、でも行動は早めに グリーンカードの有効期限が残り6か月以内、または、すでに失効している場合は、すぐさま行動を起こしましょう。できるだけ早く申請書類の提出を済ませ、また、申請後は受理通知書を大切に保管してください。新しいグリーンカードがまだ届かず、海外旅行からの再入国や行政上の強制執行を懸念される場合は、一時的な渡航書類やステータスの証明について、専門家に相談することをお勧めします。 新しいグリーンカードの発給が遅れたり、手元にステータスを証明する書類のない期間があっても、必要以上に不安にかられないでください。確かに、現在の移民手続きには時間を要したり、進み方も一貫性がありませんが、対処法はありますので、落ち着いて行動しましょう。グリーンカードの更新、市民権申請についてご質問のある方は、ブランドン・バルボ法律事務所までお気軽にお問い合わせください。

アメリカで就学、F-1ビザは必須?

最近、学生ビザ(F-1ビザ)に関するニュースがメディアを賑わせています。ビザ面接のキャンセルや一部の大学での留学生入学禁止など、F-1ビザをめぐっての混乱が続く中、「本当にアメリカで学べるのか?」と不安に思われる方も多いことでしょう。ですが、実は、米国で合法的に就学する方法は、F-1ビザを取得することだけではないのです。 F-1ビザがなくても就学可能 多くの方々は、米国で学校に通うためにはF-1ビザが必要だと思われています。しかし、必ずしもそうではありません。F-1ビザを取得せずとも、たとえば、E-1やE-2ビザ(通商条約に基づく貿易家、投資家、その従業員や扶養家族)、またはL-2ビザ(企業内転勤のL-1ビザの扶養家族)など、特定のビザを保持していれば、米国での就学は合法的に認められています。 つまり、親がEまたはLビザで米国へ転勤する場合、その子どもは扶養家族として入国でき、その上、幼稚園から、さらには公立高校(K-12)、大学にも通うことができるのです。こちらの方法であれば、F-1ビザに伴う制限や厳しいコンプライアンス要件など、多くの頭痛の種を回避することもできます。 子どもが21歳になると。。。 ただし、こちらの方法には一つ注意すべき点があります。それは、子どもが受給できる扶養家族ビザには年齢制限があり、その子どもが21歳の誕生日を迎える前日までしか扶養家族ビザを利用することはできない、という点です。そのため、21歳以降も米国で通学するためには、子ども自身が主たる申請者となり、多くの場合は、F-1ビザへの切り替えが必要になります。 ですが、こちらのビザクラスの切り替えは、米国内でステータス変更(Change of Status)として申請できる可能性があり、米国をわざわざ出国し、母国の米国大使館・領事館でビザ面接を受ける必要がないかもしれない点はポジティブな面といえます。 今、この情報が特に重要な理由 ここ数ヶ月、各国の米国大使館・領事館では、F-1ビザの面接が一時的にキャンセルされる事態が相次ぎ、面接を受けられるまでの待ち時間も数週間から数か月に及ぶケースまで発生しています。また、学校側が留学生を受け入れることができなくなった例もあります。 こうした不安定な状況は、進学を控えた子どものいる家庭にとって大きな問題となっています。また、多くの大学では、留学生の授業料は州内の学生の2~3倍の金額に設定されていることが多く、留学生の減少は学校の財政面にも深刻な影響を及ぼすことになります。 だからこそ、米国ではF-1ビザなしでも就学が可能であること、そして、場合によってはむしろ良い選択肢でもあることを、ぜひ、知っておいて頂きたいのです。 どのような方に最も役立つか こちらの方法は、日系企業が従業員を米国に赴任させる際に大変効果的で、特にEビザ・Lビザを利用することの多い飲食業、テクノロジー業、製造業などでは一般的に利用されています。ですが、これらの転勤をプランする人事責任者の方々の中には、「扶養家族はF-1ビザがなくとも米国で就学できる」ことに気づいていない方も実際に多く見受けられます。 また、すでにE・Lビザで滞在している日本人が、日本から家族を呼び寄せる場合にも有益です。米国で就学し、21歳を迎える時には、米国内でF-1ビザへの切り替えが可能という点は、大きな安心材料ともなりえます。 早めのプランがカギ もしも、子どもが21歳に近づいている場合、少なくとも6〜9か月前には準備を始めたいものです。余裕を持ってステータス変更を申請すれば、滞在資格を失うリスクを避けることもできます。 米国移民制度には例外や複雑な規定が数多くありますが、家族の将来を守るためには、何が可能で何が不可能かなど、正確な情報を知ること、そして、余裕あるプランを立てることが不可欠です。F-1ビザは一般的ではありますが、唯一の方法ではありません。米国で合法的に就学する方法は他にもあり、場合によっては、むしろ最も賢い選択となることもあるのです。ご家族の就学、将来考えられるビザオプションの検討、ステータス変更申請についてご相談のある方は、弊所までお気軽にお問合せください。

日本の企業が直面しているE-2ビザのプロセス遅延

ひとたび、米国市場への進出や投資を決断したら、その後は計画に基づいて準備を進めていくものです。その計画には、多くの場合、現地で事業を立ち上げること、主要な人材をE-2ビザで米国へ派遣すること、そして、米国市場でのプランを実行に移すことが含まれているでしょう。 ところが昨今、その計画の初期段階の遅れに悩まされている日本の企業が増えています。というのも、現在、東京の在日米国大使館では、新規のE-2ビザ申請に伴う企業登録の審査に、過去数十年で最も長い期間といえる、およそ4か月もの月日を要しているためです。このボトルネックを緩和するため、一部の案件は在大阪・神戸米国総領事館へ振り替えられているものの、効率良く市場参入を目指したい企業にとっては、依然として大きな懸念事項となっています。 日本の企業の米国への投資が増加傾向に 2025年、日本の企業はこれまで以上に、より積極的に米国市場へ目を向けています。その大きな要因には、トランプ政権下で具体化した関税政策が挙げられます。日本から製品を輸出する代わりに、米国に拠点を構えることで、余分な輸入関税を回避し、世界最大級の市場で安定した財務基盤を確保することーーこの戦略は、長期的な事業の成長に向けて投資をしながら競争力を維持することに役立ちます。 このことから、日米間の新規事業に対する動きは着実に活発化しています。新しい事業の多くは、米国での雇用や、地域および国の取り組みを強化する上で欠かせない税収を生み出します。ところが、案件数の急増により、東京の在日米国大使館の対応は追いつかず、プロセスに遅れが生じ、すべての企業や申請者に影響を与える結果を招いてしまっているのです。 企業登録の概要 米国大使館はE-2ビザを発給する前に、企業が必要な要件、すなわち「多額の投資」「積極的な事業運営」「日本国籍者が過半数以上の所有権を所有していること」などの要件をすべて満たしていることを確認する必要があります。これが「企業登録」と呼ばれるプロセスで、初めてのE-2ビザを申請する場合、東京の在日米国大使館、あるいは在大阪・神戸米国総領事館のいずれかへ、まずは企業を登録するための申請を行います。また、こちらを申請する際には、最初のE-2ビザ申請者の申請書類も同時に提出する必要がありますので、ご注意ください。 企業が要件を満たしていると承認されれば、その企業の情報はシステムに登録されるため、その後に続く追加のE-2ビザ申請では企業の登録手続きは必要ありません。ただし、追加のE-2ビザ申請の際には、企業の最新情報として、財務記録、法的文書、米国での事業展開への積極的な取り組みを示す書類など、明確な証拠書類の提出を求められる場合があります。 これまで、ほとんどの企業が東京の在日米国大使館へ申請してきましたが、昨今では、遅延の影響を受け、在大阪・神戸米国総領事館へ申請する動きも見受けらるようになりました。どちらの申請地を選ぶか、どの書類を提出するか、また、いつどのようにフォローアップするかが、プロセスの遅延や煩雑さを避ける上での大事なポイントと言えます。 課題を乗り越え、スムーズな企業登録の実現 Eビザの企業登録では、申請のタイミングと正確さがとても重要です。適切な準備とサポートがあれば、在日米国大使館での遅延を最小限に抑えることができます。ブランドン・バルボ法律事務所では、米国での事業展開をスムーズに進められるよう、最初に必要となる企業登録とE-2ビザ申請を支援しています。E-2ビザの取得や米国市場への進出についてご質問のある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

外国人登録法の執行、始まる

休暇や出張、そして家族との再会──毎年、数百万人が30日以上アメリカに滞在していますが、その多くは長期滞在を目的としていません。しかし、トランプ大統領の大統領令14159号に基づき、移民法執行への強化が進むにつれ、長期的な滞在の意思がなくとも、「外国人登録法」への遵守が求められるようになっています。この「外国人登録法」は、もともと1940年に可決された法律ですが、現トランプ政権下で復活しつつあるのです。 これらの要件に遵守しない場合、要らぬリスクを招く恐れがあります。外国籍の方々は、この法律が何を求めているのか、誰に適用されるのか、そして、それを無視した場合にどのような影響があるのかを、しっかりと把握しておかなくてはなりません。 外国人登録が必要な方とは? 外国人登録が求められているのは、限られた一部の方々で、対象者は以下のとおりです: カナダ国籍の方:陸路で米国に入国し、入国時にForm I-94(出入国記録)が発給されておらず、30日を超えて滞在する場合 入国審査を受けずに米国に入国した外国籍の方(一部の例外を除く) 米国滞在中に14歳の誕生日を迎えた外国籍の子ども。この場合、保護者が代わりに登録手続きを行う必要があります。 外国人登録の適用から除外される方 多くの方々は外国人登録の適用から除外されています。主な除外者は以下のとおりです: 永住権保持者(グリーンカード保持者):ただし、14歳未満で永住権を取得した場合は、14歳の誕生日から30日以内に登録または再登録が必要です。誕生日の時点で米国外にいる場合は、米国帰国後30日以内に登録を行う必要があります。 指紋採取を受け、I-94(出入国記録)が発給された非移民ビザ保持者(I-94の有効期限が失効している場合も含む) ESTA(ビザ免除プログラム)で入国した方 移民法第212(d)(5)条に基づき仮入国を許可された方 AビザおよびGビザ保持者(外交官・国際機関職員など) 有効な労働許可証(EAD)を所持している方 米国移民局 (USCIS) の特定の申請書を提出し、永住権を申請した方(申請が却下された場合も含む) アメリカ先住民の親を持ち、カナダで生まれ、8 USC §1359の権限の下で生活しているアメリカ先住民の方 外国人登録の手続き方法 登録はオンライン上で行う必要があります。手順は以下のとおりです: USCISオンラインアカウントの作成 まず、myaccount.uscis.gov/create-account にアクセスし、米国移民局 (USCIS)のオンラインアカウントを作成します。 Form G-325R の提出 アカウント作成後、Form […]