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グリーンカード紛失。米国へ再入国するには?

海外旅行中にグリーンカード紛失 ―これは、米国で暮らす永住権保持者にとっては悪夢も同然です。ですが、実際に海外でグリーンカードを紛失した場合、どうすれば良いのでしょうか? 海外でグリーンカードを紛失した場合と、うっかり米国内にグリーンカードを置いてきた場合とでは違いがあります。 米国へ戻るためには、在留資格の証明が必要ですから、海外でグリーンカードを紛失した場合は緊急な対応を要します。一方、グリーンカードを持たずに米国を出国した場合、米国内の誰かにグリーンカードを取りに行ってもらう、または、航空会社の係員にグリーンカードのコピーを提示、説得し、搭乗を許可してもらうこともできるかもしません。 米国税関・国境警備局 (CBP) は、入国者が必要書類を保持していない場合に罰金を科すこともありますが、実は、必要書類の確認を怠った航空会社のほうが、より罰金を科せられるリスクを負っています。また、実際に罰金を科すかどうかは、CBPの審査官の判断に委ねられています。 グリーンカードなしで搭乗するには 上述の理由から、米国へ戻ろうとする時にグリーンカードがないことに気づいた場合、一番のハードルとなるのが、実は航空会社なのです。航空会社は、乗客が入国に必要な書類を所持しているかどうかを確認する義務があり、仮に、必要書類がないにも関わらず、その乗客の搭乗を許めた場合、多額の罰金を科せられます。 グリーンカードを持たずに渡航した個人にも罰金が科せられることもありえますが、少なくとも入国は許可されるでしょう。そのため、こうした状況に直面した場合は、できれば、グリーンカードのコピーを提示して航空会社を説得することです。もちろん、必ずしも搭乗や入国できる保証はありませんが、どうしてもグリーンカードを手元に用意できない、または、グリーンカードが全く見当たらない場合に試みる価値はあるかもしれません。 グリーンカード紛失後の対処 海外滞在中にグリーンカードを紛失してしまった場合は、直ちに米国大使館または領事館にForm I-131A (Application for Carrier Documentation)を申請してください。これは、米国へ戻る資格があることを航空会社に証明する、一時的な渡航書を発給してもらうための申請書類です。 ただし、このForm I-131Aを申請できるのは、米国外での滞在期間が1年未満で、グリーンカードを紛失、盗難、または破損した場合です。滞在期間が1年以上超える場合は、米国永住権を放棄したと見做される可能性があるため、Form I-131Aは申請しないことが重要です。その代わりに、帰国居住者ビザ(SB-1)を申請する方法がありますので、まずは米国移民法の弁護士に必ず相談してください。 移民法に関する手続きを適切かつ専門的にサポート 米国へ戻ろうとする日の空港で、グリーンカードを紛失した、または、忘れてきたことに気付く、という場面は、想像するだけでもぞっとします。ですが、実際にその場面に直面する人がいることも事実なのです。 ブランドン・バルボ法律事務所では、クライアントの皆様が米国へ問題なく再入国できるよう、最新情報や必要な法的アドバスをお伝えすると共に、必須書類の有無、書類の有効期限など、渡航に必要な状況が整っているか確認するお手伝いをします。包括的なサポートとガイダンスについては、どうぞ、弊所までお気軽にお問い合わせください。

ビザの面接免除の対象者が拡大

米国大使館でのビザ(ステッカー)申請において、面接が免除される措置、すなわち、郵送申請は、COVIDによるパンデミック時に導入された一時的なものでした。それが2024年1月1日からは、米国国務省がビザ申請のプロセス効率化を掲げ、面接免除がむしろスタンダードなプロセスとなるよう、実施の拡大を始めました。これにより、現在、多くの米国大使館および領事館で、ビザの更新に対する面接が免除されるようになりました。 在東京米国大使館、そして、在大阪米国領事館では、ビザの更新申請はもちろん、条件によっては新規にビザを申請する場合でも郵送申請が認められています。しかし、面接免除を認めてもらうためには、十分に準備の整った、説得力ある申請書類を提出することがとても重要です。 新規ビザ申請時の面接免除の対象者とは? 2024年1月1日より、特定の条件を満たせば、新規にビザを取得する申請者であっても、面接が免除されるようになりました。対象となる申請者の条件は、日本(もしくは、他の米国ビザ免除プログラムの対象国)の市民であること、現在日本に合法的に居住していること、過去にビザの面接を受け、B1/B2以外のビザを発給されたことがあること、さらに、新規に申請するビザカテゴリが以下のカテゴリであること、とされています。: C1/D、F、I、M、J、H、O、P、QまたはRビザ Eビザ(既に企業登録が済んでいる場合のみ) Lビザ (Lブランケットビザの申請者は、郵送申請の対象外となります) 上記に加え、過去に犯罪歴がないこと、現在も有効または失効後48ヶ月以内のビザを所持していること、直近のビザが発給されてから今までにビザの申請が却下されていないことも条件となります。 ビザ更新時の面接免除の対象者とは? 面接が免除される対象者の枠が、今回の変更により大幅に広がりましたが、条件に該当するのかどうか、まずは確認してから準備を進めましょう。ビザの更新を郵送で行いたい場合、まず、更新申請は前回発給されたビザと同じカテゴリでなければなりません。そして、「現在もビザが有効もしくはビザ失効後48ヶ月以内である」「直近のビザが発給されてから今までにビザの申請が却下されていない」ことが条件となります。 また、申請者は「日本国籍者または居住者であり、ビザ申請時に日本に滞在している」、「過去にESTAの申請が却下されたことがない」「以前のビザに”Clearance Received”または”Waiver Granted”という注釈がない」「現在のパスポートに記載されている氏名、生年月日、国籍などの個人情報が、以前のビザに記載されていた内容と一致している」といった条件も満たしていなくてはなりません。なお、キューバ、イラン、イラク、リビア、北朝鮮、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンの国籍者については、このプロセスは該当しません。 上記の条件を満たし、かつ、以下のカテゴリのビザを更新する場合は、郵送で申請できます。: B1/B2 C1/D E (既に企業登録が済んでいる場合のみ) F、M、またはJ H、O、P、Q、またはR I 特定のLビザ(Lブランケットビザの申請者は郵送による更新申請の対象外となります) Lブランケットビザの申請者は、現在のところ、郵送によるビザ更新はできませんが、ゆくゆくは郵送申請の対象になる可能性は大いにありそうです。 L-1ブランケットビザの面接免除への可能性 日本国内でのL-1ブランケットビザは、郵送申請の対象ではありませんが、米国在台湾協会(AIT:American Institute in Taiwan)では、最近、L-1ブランケットビザの面接免除を実施するようになりました。これは、日本を含む他の国々において、将来的にはLブランケットビザも面接が免除される対象となる可能性を示しています。 このように、現在、ビザプロセスを効率化させる良い動向が見受けられますが、米国では、今年2024年、ビザのプロセスに関する政策の方向性や進行に大きな影響を与えかねない米国大統領選があります。 現在の政権では、ビザプロセスの遅延を解消するため、今だかつてないほどの様々な取り組みが導入されてきました。しかし、トランプ政権に代われば、こうした移民に関するポリシーやプロセスの変更の多くは後退し、より厳格なガイドラインが新たに導入される可能性が非常に高くなることが予想されます。 ブランドン・バルボ法律事務所によるビザ申請プロセス […]

米国移民局、就労ビザのオンライン申請を開始

米国移民局(USCIS)は、現在、申請プロセスのデジタル化に取り組んでおり、まずは、就労ビザ(H、E、L、O、Rカテゴリーを含む)、および、米国永住権について、オンラインで申請できるよう、準備を進めています。これにより、審査の効率化に、大きな変化をもたらすことが予想されます。 デジタル申請システムへ正式に移行する最初のビザカテゴリーは、H-1Bビザです。今年2月からオンライン化が始まり、H-1Bビザの抽選で選ばれた申請者は、初めてオンラインで申請できることになります。 弊所では、請願書の提出、付随する証拠書類のアップロード、申請費のオンライン決済など、この新たな環境に対応できるよう、すでに準備をしています。このデジタル申請システムは初期段階のため、まだまだ課題はあるものの、プロセスの効率化において、今後、大きな期待が持てると言えそうです。 なぜ、このような変更が? 就労ビザ申請に対する、完全デジタル化へ移行は、突如決定されたものではなく、より効率的かつ合理的なシステムを必要とする米国移民局が、着々と計画してきたものです。米国移民局は、現在、歴史的なバックログなどの課題を抱えており、申請や審査のプロセスを迅速に効率良く行うことで、より良いサービスの提供を強化したい、としています。 最近の米国移民局のプレゼンによれば、デジタル化への移行は、職員のデータ入力の手間を省くだけでなく、就労ビザの申請を行う企業と弁護士の連携を効率化させる目的があることも強調していました。確かに、クライアントの方々や私たちにとって、スムーズな連携作業は非常に重要な要素と言えます。 メリットを最大限に活かす 米国移民局のデジタル申請システムに、主要な要素となる「Company Groups」という、就労ビザを申請する企業と弁護士の双方がオンライン申請に取り組めるよう設計されたシステムが導入されました。これにより、柔軟性、企業と弁護士の協業の促進、効率的なコミュニケーションを期待できるようになります。 一方で、デジタル化へのメリットを最大限に利用するためには、この「Company Groups」の構成や仕組みを正しく理解し、細心の注意を払う必要があります。「Company Groups」には、後から情報を変更できない面もあり、注意深く、適切に設定されていることを確認しなくてはなりません。よって、企業と弁護士が協力しながら、計画的に進めることが大変重要です。 新しいシステムへの期待 デジタル申請システムへの移行は、移民制度を必要とする企業、申請者とその家族、専門家にとって、新たな可能性を切り開く、と言えそうです。ただし、プロセスが合理化される点は非常に魅力的ですが、歴史的なバックログ、プロセス期間の長期化を引き起こしてきた米国移民局のこれまでの姿勢を考えると、慎重に対応していく必要がありそうです。 ブランドン・バルボ法律事務所では、クライアントの皆様が、デジタル申請システムを最大限に利用するための体制を整えています。請願書や証拠書類の提出から、申請費の決済まで、すべてオンライン上で管理し、より費用対効果の高いサービスを提供いたします。ご質問がございましたら、お気軽に弊所までお問い合わせください。  

米国外への渡航制限

現在の永住権申請では、案件数のバックログ、プロセス期間の長期化、その他の課題により、米国内でのステータスや、米国外への自由な渡航に、大きなリスクを伴う状況が続いています。米国移民局が抱える課題については、最近のブログでも述べましたが、これらの課題が、企業、移民、そして、その家族と、どれだけ広範囲に及んで、影響を与えているかを理解することは非常に大事です。 今回は、現在、特に大きな課題となっている2点について述べます。一つ目は、H・Lビザ以外のビザ保持者が、米国内で永住権を申請する場合の渡航許可証の申請、二つ目は、永住権保持者の再入国許可証 (Re-Entry Permit) の申請です。 長く複雑なAdjustment of Status (AOS)  永住権の申請方法のひとつに、米国で面接を受ける方法(在留資格/ステータス変更 (Adjustment of Status / AOS) がありますが、H・Lビザ以外のビザ保持者がAOS申請する場合、審査中も、合法的に米国で働くための労働許可証、米国外へ渡航するための渡航許可証を取得する必要があります。渡航許可証が発給されれば、AOS審査中でも米国外へ自由に渡航出来るようになりますが、この渡航許可証の発給までに、現在、9~10ヶ月も掛かっています。 このため、長期間、米国から出国出来ない状況を見据え、母国にいる家族や、海外出張の業務など、米国外へ渡航する以外の方法で対処、対応出来るよう、事前準備が必要となります。仮に、渡航許可証が発給される前に米国を出国した場合、AOS申請そのものが却下される可能性がありますから、十分にお気をつけください。 なお、HまたはLビザ保持者の場合は、AOS申請後もH・Lビザで渡航が出来るため、渡航許可証を取得する必要はありません。 永住権喪失のリスク 永住権保持者が、仕事やその他の事情により、米国外に長期で滞在しなくてはならない場合、再入国のリスクが生じます。米国当局は、永住権保持者が米国外で、1年間連続して滞在し続けた場合、永住権を放棄した、と見做します。このため、例えば、米国外に3年間の赴任辞令が下りたのであれば、永住権を守るため、米国を離れる前に、再入国許可証を申請する必要があります。   再入国許可証の手続きは、以前であれば、3ヶ月ほどで完了していたところ、現在は完了するまでに約1年半も掛かっています。また、申請する際には、米国移民局が申請書類を受領する時点で、申請者は物理的に米国に滞在していなくてはなりません。そのため、申請のタイミングなど、事前にしっかりと計画を立てる必要があります。再入国許可証の発給を待たずに、米国外での滞在を始めた場合、米国へ戻りたい時に、肝心の許可証が手元に未だないことから、再入国が出来なくなる可能性もあり、さらには、国外での滞在期間によっては、永住権放棄と見做され、永住権を喪失する危険性もあるのです。 ステータスの維持、そして、制限されない渡航のために 家族やビジネス、そして自分自身を守る最善の方法は、米国移民制度に起こりうる、あらゆる弊害に対し、予め備えることです。ですが、それを正しく理解することは、容易ではありません。ブランドン・バルボ法律事務所は、こうした問題に直面しても、乗り越えられるよう、法的な視点からのアドバイスを致します。移民法に関するご相談は、弊社まで、お気軽にお問い合わせください。  

米国移民局、申請料を大幅値上げ

2024年1月30日、米国移民局(USCIS)は、移民申請に関するほぼ全ての申請料の大幅な値上げを発表しました。2024年4月1日より適用される新しい申請料は、すべての企業に大きな負担を強いるものとなっています。今回の発表は、昨年12月27日に発表された、プレミアム・プロセッシング・サービス(特急申請)の申請料値上げに追随する形となりました(こちらは2024年2月26日より適用)。 2024年1月の申請料値上げの発表 米国移民局は、隔年で実施される包括的な申請料見直しの結果、運営コストが大幅に上昇していると主張しています。その理由は多岐に渡るもので、人道支援プログラムの拡大、需要の増加、プロセス期間の長期化、職員の増員などを挙げています。また、予算削減により、岐路に立たされていることから、申請料を調整しなければ、サービスレベルや、プロセスへの効率は低下し続け、現状のバックログを鑑みると、プロセス完了までの待ち時間が更に長期化するとしています。 現行の申請料の調整、特定の申請に対する新たな申請料の導入、Form I-129請願書(非移民労働者のための請願書)に対する、ビザクラス別の申請料の設定、特定のフォームに対する受益者制限の設定など、広範囲に及ぶ変更が提案されましたが、移民局は、これらの変更が実施されなければ、申請者や請願者に対するサービス基準を十分に満たせないリスクが高まり、プロセス期間はより長期化し、さらなるバックログの原因にもなる、としています。 企業に対し、亡命プログラムへの支援を要求 外国人の就労ビザをサポートする際、その請願者となる雇用主は、Form I-129請願書を提出しますが、こちらの申請料が、次のように大幅に値上げされます。 H-1Bビザ従業員の場合、460ドルから780ドルへ、70%の値上げ。 L-1ビザ従業員の場合、460ドルから1,385ドルへ、200%の値上げ。 E-1/E-2/E-3ビザ従業員の場合、460ドルから1,015ドルへ、120%の値上げ。 さらに、これら申請料の値上げに加え、すべての非移民、および、移民申請をサポートする雇用主には、新たに追加導入される申請料が課せられることになりました。これが、亡命プログラム助成金への使途を目的とするAsylum Program Filing Fee (600ドル)です。 一方、フルタイムの従業員数が25人以下の企業では、申請料の値上げ率はやや低めに設定されています。 ブランドン・バルボ法律事務所は、米国移民情勢の変化が、申請者、および、企業に経済的な負担を与えることも認識しています。移民プロセスに関わる、こうした変化を乗り越えるためのガイダンスについては、弊社までお気軽にお問合せ下さい。

労働許可証の有効期間が5年へ

移民法に関する明るい話題が届きました。今後、多くの永住権申請者へ発給される労働許可証の有効期間が2年から5年へ延長されます。米国移民局(USCIS)が発表した今回の変更は、就労に対する大きな助け舟となる、大変重要なニュースとなりました。 米国に合法的に居住しながら永住権を申請する場合、労働許可証を取得することができますが、以前、永住権申請の最終局面で、グリーンカードの承認はまだなのに、労働許可証の有効期限が迫っていることで、雇用継続への不安を強いられることがありました。ステータス変更の手続きにかかる期間が、労働許可証の有効期間である2年を上回り、永住権の申請中に就労資格を失う可能性があったのです。 この重大な問題を認識した米国移民局は、2023年第3四半期に、労働許可証の有効期間を5年へ延長するに至ったというわけです。 5年間有効の労働許可証 前述した通り、かつての2年間有効の労働許可証では、グリーンカード承認までの必要な期間をカバーしきれないことがしばしばありました。これは、申請者に過度のストレスを与えるだけでなく、申請者の労働力を要する雇用主にとっても大きな課題となっていました。 労働許可証の有効期間が5年へ延長されることは、その状況を大幅に改善し、雇用主、および、申請者双方へ安定をもたらします。雇用主はより安定した労働力を確保でき、申請者は労働許可証の期限に対するプレッシャーを感じずに働くことができるのです。それだけでなく、労働許可証の更新申請が減れば、多くの時間と労力を他の業務に費やせることから、相当な数の移民申請の滞留に悩む米国移民局にとっても救済効果があると言えます。 永住権制度のさらなる変更 今回の変更は、永住権申請の手続きにおいて、様々な改革が進む可能性を示唆しているかもしれません。ここ数年、申請者がより早い段階でステータス変更の申請を始められるよう、議員たちの間で話し合われてきました。 現状では、申請者がステータス変更を申請するためには、申請書類を提出する順番を待たなくてはなりません。例えば、申請者の多いインド国籍者がステータス変更の申請をできるまでには、10年以上もかかることもあり、その間に3回ものH-1ビザの更新が必要になるのです。 これを解消する改革案が実現すれば、このような負担は大幅に軽減され、今回の有効期間5年の労働許可証も、より効果的に利用されるでしょう。こうした案はあくまで推測の域を出ませんが、プロセス遅延の解消、移民労働者の地位保護、米国当局のプロセスの最適化へ向け、前向きな方向性を示しています。 最善の方法を選びましょう 変化し続ける米国移民法を理解するのは簡単なことではありません。ブランドン・バルボ法律事務所では、移民政策の最新動向について、常に目を配り、細心の注意を払っています。その上で、米国での滞在、および、就労資格を確保し、維持するための最適なオプションには何があるのか、何を選ぶべきかなど、情報のご提供や判断のお手伝いをしています。米国移民法に関するご質問は、どうぞ、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

Eビザが最も発給されている国

ブランドン・バルボ法律事務所では、複雑なEビザの案件を頻繁に扱っています。全てのビザ申請の中で、最も複雑なプロセスがEビザと言えますが、企業や申請者が米国でビジネスを始めるための「はじめの一歩」となる、極めて重要なプロセスですから、避けて通ることはできません。 Eビザは、条約国の貿易家、投資家、そして、特定の駐在員(および、その配偶者・子供)のために設けられているビザで、国際商業の発展に重要な役割を果たしています。細かい財務分析や規定のニュアンスから、とりわけ複雑なビザと考えられていますが、多くの個人、そして家族にとって、米国への道を開くビザでもあるのです。 ここで、Eビザプログラムの興味深いデータをご紹介しますと、実は、日本は一番多くEビザが発給されている国、なのです。2022年、米国国務省は合計16,400件のEビザを日本国籍者に発給しました。この数字は、他国と比べて圧倒的に多く、次に発給数の多い上位4カ国の合計すら上回っているのです:カナダ(4,577)、ドイツ(3,874)、韓国(3,505)、台湾(3,295)。このことから、日本人はEビザを大いに利用することで、日米の経済関係の重要性に着目、実行していることが分かります。 日本国籍者への E ビザ発給数が群を抜いて多いのは、実は今に始まったことではありません。2000年まで遡ると、米国国務省は日本国籍者に対して14,873件のEビザを発給しましたが、これは上位8カ国のEビザ発給数の合計をも上回っているのです。 このデータからも、日本人は長年に渡って、米国でのビジネスや経済発展に重要な役割を果たしてきたことが分かります。 Eビザの要件の複雑さから、多くの弁護士はEビザの取り扱いを敬遠しがちですが、ブランドン・バルボ法律事務所は、複雑なビザプログラムだからこそ、移民法弁護士の見識が求められ、とりわけ日本人からの需要が高いことを理解し、積極的に対応しています。 米国でのビジネスを実現させる上で、Eビザは必要不可欠でありつつも、取得までの道のりは決して容易ではないでしょう。私たちは、Eビザ申請における豊富な経験を活かし、それぞれの企業や申請者の状況を理解しながら、Eビザの取得、そして、米国でのビジネスを実現させるお手伝いをしています。Eビザの詳しいご説明が必要な方、ご相談のある方は、お気軽に当事務所までご連絡ください。

米国外で過ごした日数を取り戻す申請に危機?

近頃急速に、世界中の入国管理、国境当局が、自国を訪問する外国人のパスポートに出入国スタンプを押印しなくなっています。米国では今年から、外国人が入国する際、パスポートに入国スタンプを押印するプロセスを廃止しました。それほど大きな出来事ではないように聞こえますが、就労ビザ保持者にとって、とりわけ、出入国スタンプを証拠に、米国外で過ごした日数分を取り戻すことでビザの期限を最大限に利用出来た、H-1、L-1、R-1保持者にとっては、非常に重大な変更となりました。 証拠としての入国スタンプ 米国移民法では、H-1、L-1、R-1ビザ保持者が米国で滞在出来る期間に上限を設けています。ですが、ビザの有効期間中に米国外で過ごした期間がある場合、その米国外で過ごした日数分だけ、ビザを延長することが認められています。 H、L、Rビザステータスを最大限に活用すべく、米国外で過ごした日数分を取り戻すための申請では、パスポートに押印されたスタンプこそ、出入国を証明する「有力な証拠」の役割を果たしていたのです。 ビザの有効期限を延長するメカニズム この「米国外で過ごした日数を取り戻す申請」とはどういうものなのか、H-1Bビザの例で考えてみましょう。H-1Bビザは最長6年間の滞在が認められていますが、その6年の間に仕事や個人的な理由で出国し、米国外に滞在した期間が仮に合計6ヶ月とします。適切な申請と証拠を提出すれば、ビザステータスを当初の有効期限から6ヶ月延長出来る、というわけです。 しかし、入国スタンプの廃止により、米国外に滞在していた期間を示す、有力な証拠を提出することが出来なくなった今、入国スタンプ以外の方法で、米国外での滞在期間を証明しなくてはならなくなりました。 米国外での滞在期間を証明する、入国スタンプに替わる証拠 入国スタンプの廃止に伴い、米国を出国し、他国に入国したことを証明する有力な証拠が入手出来ない、あるいは、一貫性がない状況に直面していることから、米国外での滞在を証明するためには、積極的に対策を講じていくしかありません。 まず、米国入国後には必ず、Form I-94だけでなく、米国の出入国の履歴が記載されているTravel Historyもダウンロードしましょう。それに加え、渡航時の搭乗券のコピーを保存しておくことも大変重要です。これらは、非移民ビザ申請書(Form DS-160)や移民ビザ申請書(Form DS-260)を記入する際にも大いに役立ちます。 ビザを最大限に活用するために 今回の出入国スタンプ廃止のように、米国移民制度には、単純な内容でありながらも不都合が生じる変更もあります。こうした変更点にうまく対応していくことは、なかなか難しいものです。ブランドン・バルボ法律事務所では、移民制度の複雑さを理解した上で、ビザのメリットを最大限に活かすためのお手伝いをしています。米国内でのステータス延長、米国に滞在するために、どのようなオプションがあるのかなど、ご質問、ご相談のある方は、どうぞ、ブランドン・バルボ法律事務所までお気軽にお問合せください。

20年ぶりに復活するビザステッカーの再認証プログラム

1989年9月、私、ブランドン・バルボがビジネス移民法を始めた頃、移民法の状況は現在とは大きく異なっていました。当時は、米国国内で手続きが出来る、ビザステッカーの再認証プログラムがあり、申請書類とパスポートを米国国務省へ送付するだけで就労ビザのビザステッカーを更新することが出来たのです。つまり、現在のように、数千ドルもの費用をかけて米国外へ渡航し、新たなビザステッカーを申請、承認後に米国へ戻る、というプロセスを踏む必要がなく、コスト面においても、効率的にビザステッカーを更新することが出来ていました。 しかし、2001年9月11日の悲劇的な出来事を機に、移民政策は劇的な変化を遂げ、国家安全保障の名の下、ビザステッカーの再認証プログラムは取り消されることとなりました。 そして、今、20年の時を経て、ビザステッカーの再認証プログラムが復活しようとしています。米国国務省は、今年後半より、まずはH-1ビザを対象に、新たな試験的プログラムを始める準備を進めています。ビザプロセス改革の一環とし、現在、最終調整がなされているところですが、このプログラムが導入されれば、ビザステッカーを再認証するための時間や費用の大幅な節約が期待出来ます。 この試験的プログラムが、予期せぬ問題も起こらず、1年ほど実施された後には、他のビザクラスにも適応される可能性があります。このプログラムの利点は、以下の通りです。 手続きにかかる時間の削減: ビザ保持者はビザステッカーの更新が必要な場合、米国を一時的に離れる必要がありました。これは、個人の生活に支障をきたすだけでなく、雇用主にも影響を及ぼします。 コスト削減: 前述の通り、このプログラムは大幅なコストカットにつながります。海外渡航には多額な費用がかかり、不便も伴います。このプログラムが再び導入されれば、こうしたコストは大幅に削減されるか、あるいは、完全になくなる可能性さえあるのです。 効率性:非常に効率的なプロセスのおかげで、個人や雇用主の貴重な時間を節約することが出来るほか、面接や、膨大な書類作成を必要とする更新方法とは異なり、このプログラムでは必要な書類や手間が少なく済みます。 注意点:再認証の手続き中に、Form I-94が失効しないように! 大変重要な注意点としては、ビザステッカーの再認証プログラムを利用するビザ保持者は、再認証の手続き中に、米国での合法的なステータスを証明するForm I-94が失効しないよう、十二分に注意する必要がある、ということです。ご承知の通り、ビザステッカーは米国への入国を要請する権利を認めるだけの書類であり、一方のForm I-94こそが米国での滞在を認める書類です。もしも、再認証の手続き中にForm I-94が失効した場合は、再認証の申請は却下され、その結果、米国を出国、ビザステッカーを申請、そして、新たなビザステッカーの発給後に米国に戻らなくてはなりませんので、くれぐれもご注意下さい。 再認証プログラムの再導入は、移民政策、そして、多くのビジネスにとって、著しい進歩といえます。この新しい試験的なプログラム、もしくは、変化するビジネス移民法について、ご質問、ご相談のある方は、ブランドン・バルボ法律事務所まで、お気軽にお問合せください。

I-751のプロセス中に、米国市民権を取得

米国市民の配偶者が永住権を取得する際、グリーンカード発給時に婚姻期間が2年未満である場合は、2年間の条件付きグリーンカードが発給されます。この条件を取り外し、10年間有効のグリーンカードへ更新するための手続きを I-751申請といいます。 昨今、米国移民局において、このI-751申請においても、大幅な遅延が生じています。米国移民局でのI-751申請に対するプロセス期間は、以前は8~12ヶ月ほどでしたが、現在では、実に4年近くもの期間を要しているのです。この状況に対し、I-751を申請した永住権保持者には、幸いにも、ステータス(滞在資格)の延長措置が講じられましたが、もうひとつ、考えられる方法があります。それは、米国市民権を取得することです。 グリーンカードの有効期限の延長 米国移民局は、I-751申請者のグリーンカードの期限がより長く延長されるよう、申請書類の受理後に発行するReceipt Notice(受理通知書 / Form I-797)上の記載内容を変更しました。 その変更とは、I-751を提出すると、手元にあるグリーンカードの有効期限が48カ月延長される、というものです。なお、今回の変更前にI-751を提出した申請者であっても、同様に48カ月の延長措置を受けることができます。 この48カ月の延長措置により、 I-751申請の手続きが完了するまでの約4年間は、米国内での就労および米国外への渡航が保証されます。とはいえ、プロセスにこれだけの期間が掛かりますから、条件付グリーンカードの有効期限が90日前になったら、すぐにI-751を申請したほうが良いでしょう。 延長措置の間に、米国市民権を しかしながら、この米国移民局による、48カ月の延長措置とプロセスに要する期間は、本来の目的をほぼ破綻させていると言っても過言ではありません。というのも、米国市民の配偶者として永住権を取得した場合、3年後には米国市民権を申請することができるからです。 つまり、I-751を申請、48カ月の延長措置を受けつつ、プロセスの完了を待つ一方で、I-751申請から1年後に米国市民権を申請、さらには取得も不可能ではない、ということになります。米国移民局も、この状況を考えれば、“プロセス期間4年”の現状に対し、早急に対策を講じる必要があると考えざるを得ないのではないでしょうか。 ブランドン・バルボ法律事務所は、米国でのステータスを合法的に維持することをはじめ、米国市民権取得のお手伝いもしております。複雑な米国移民法の問題に直面している方、長期に渡るプロセスの遅延がご自身やご家族、ビジネスにどう影響を及ぼすか不安に思う方は、お気軽に当事務所までご相談ください。