3 年 / 10 年の入国禁止措置が課せられる場合とは??

先月のブログでは、米国に入国するすべての渡航者は、入国時に発行されるForm  I-94をきちんと確認することがいかに重要かについて述べました。オンラインで入手できるForm I-94には、許可された滞在期限が記されていますが、そこで、今月は、Form I-94 の滞在有効期限を無視した場合に何が起こるのか―「 3 年または 10 年の入国禁止措置」について述べます。 3 年および 10 年の入国禁止は、米国移民局が言うところの「不法滞在」に対する措置で、不法滞在とは、許可された滞在期間を超えて米国に滞在していることを意味します。合法的に米国に入国した外国人が許可された期間を超えて滞在した後、出国、そして、再び米国に入国しようとした際に、この入国禁止措置が適用されます。 不法滞在は、Form I-94 の滞在有効期限が失効した日からカウントされます。その不法滞在の期間に応じて、課せられる措置の内容も異なってきます。 – 6ヶ月以上、1年未満の不法滞在の場合、3年間の入国禁止措置が課せられます。すなわち、米国を出国した日から3年間、米国への入国が認められません。 – 1年以上の不法滞在の場合、10年間の入国禁止措置が課せられます。すなわち、米国を出国した日から10年間、米国への入国が認められません。 – 1年以上の不法滞在をした後に、合法的な許可を得ずに米国に再入国した場合は、二度と米国に入国できない永久入国禁止措置が課せられます。 不法滞在の期間が長ければ長くなるほど、重たい措置が課せられるわけですが、このような事態に陥らないよう、Form I-94を定期的にチェックすることがいかに重要であるか、また、それを忘れないように心がけることが本当に大事なのです。最も多いのは、Form I-94をまったく確認せず、後々、自分が意図せずに不法滞在をしていたことに気づき、米国へ再入国できなくなってしまった、という事例です。仕事や家庭が米国にあるにも関わらず、長期間に渡って再入国できなくなれば、非常に厳しい状況となるのは明白です。 過去10年間、この3年・10年の入国禁止措置は、学生にとって大きな問題となりました。多くのビザには有効期限が設定されていますが、学生ビザは米国で学業を続けている限り継続できるため、期限が設定されていません。ですが、学業を続けながら働けるよう、労働許可証を取得すると状況は変わってきます。よって、米国留学中に母国へ一時帰国する際には、必ず自分のステータスを確認する必要があります。再入国できなくなったり、戻ってこられないことを恐れて米国から出られなくなったりするのは避けたいものです。 米国を訪問する外国人が、3年または10年の入国禁止措置を受けてしまうことは、実はよくあることなのです。渡米した際には、常にForm I-94を意識し、滞在期限をよくよく確認してください。Form I-94に関するご質問やご相談は、ぜひ、ブランドン・バルボ法律事務所までお気軽にお問合せください。

滞在を合法にも違法にもしてしまうForm I-94の怖さ

外国人が米国に到着すると、まず空港で税関・国境警備局 (CBP / the U.S. Customs and Border Protection) の入国審査官に出迎えられ、入国が許可されれば、パスポートにスタンプが押されます。かつては入国時にForm I-94という書類が発行されていましたが、現在は廃止され、そのForm I-94のシンボル的な役割を果たすのが、入国審査官の押印するスタンプなのです。とても軽視されがちですが、Form I-94は、外国人訪問者にとって、最も重要な書類のひとつです。 そもそもForm I-94とは、CBPから発行される正式な入国記録を意味し、米国での滞在資格や滞在期限を証明するものです。CBPのウェブサイトにアクセスすれば、実際のForm I-94を閲覧、ダウンロードすることができますが、日常生活の中では、そのウェブサイト自体にアクセスする習慣やきっかけがなく、手遅れになるまで、自分のForm I-94をダウンロードしていなかった、ということがよく起こります。 Form I-94で重要なことは、すべての情報が正しく入力されているかをしっかり確認することです。残念ながら、Form I-94のウェブサイトには人為的なエラーも多々見受けられ、それが悲惨な結果を招くことにもつながりかねません。CBPの入力ミスのせいで、滞在が違法になっていたにも関わらず、当の本人はそれに気づいてもいない、ということもあるわけです。だからこそ、米国に入国後には、まず、Form I-94をチェックすることが、本当に大事なのです。 Form I-94に関してよくある問題は、「認められるべき滞在期間の分だけ、合法的に滞在できる」と、思い込んでしまうことです。確かに通常はビザの種類に応じて、数日から3年までの滞在期間が認められますが、パスポートの有効期限がその一定の期間よりも短い場合、パスポートの有効期限に合わせて、I-94の期限、すなわち滞在期限も短くなることがよくあります。 例えば、有効期限が残り6か月のパスポートを持つ外国人が米国へ入国しました。彼は、自分のビザの種類から「滞在可能な期間は入国日から2年」と考え、Form I-94を確認しませんでした。6か月後、パスポートを更新しましたが、Form I-94がパスポートの期限と同じ日に失効することに、相変わらず気づいていません。入国1年後、何らかの申請をするためにForm I-94を確認する機会があり、Form I-94の期限がとっくに切れていた、すなわち、過去6か月間におよび違法滞在をしていたことに初めて気づいた、というのは、よくある事例です。 このような問題が起きないよう、毎回、米国に入国後はすぐに、CBPのウェブサイトで Form I-94を確認することが、大変重要です。すぐに確認すれば、仮に情報に問題があったとしても、大きな事態に発展する前に解決することができます。もしも、Form I-94に問題を見つけたら、すぐにブランドン・バルボ法律事務所にご連絡ください。CBPと連携し、情報を修正するお手伝いをさせていただきます。

米国市民との婚姻による永住権取得について

結婚は人生において非常に大きな決断であり、心躍るライフイベントの一つですね。結婚を決められた皆さま、本当におめでとうございます! ですが、米国市民と「外国人」が結婚する場合、そのカップルが物理的に一緒にいるにはどうしたらよいのでしょう? 結婚するとなれば、「実際に一緒にいる」ということが、ほとんどのカップルにおいて最優先事項となるわけですが、国境を越えて結婚する場合、残念ながら、単純に役所で婚姻証明を取得するだけ、というわけにはいきません。米国連邦政府からも法的に許可を得る必要があるのです。また、政府から承認されたからといって、外国人配偶者もすぐに米国市民になれるわけではありません。外国人配偶者には、まずグリーンカードが発給され、米国での滞在と労働が許可されますが、米国市民になるには、将来、帰化申請も必要になるのです。 米国市民との結婚による永住権取得の二つの方法: 1番目の方法は、外国人配偶者の母国で全ての手続きを行う方法です。まず、スポンサーとなる米国市民が、外国人配偶者を米国に移住させるための請願書を提出し、その後、その外国人配偶者の母国にある米国大使館で面接を受けます。全てが承認されると、外国人配偶者は米国に移住できるようになります。このプロセスを、Consular Processingといいます。 2番目の方法は、在留資格/ステータス変更 (Adjustment of Status) を申請する方法です。この方法の場合、まず外国人配偶者は有効なビザで米国に入国します。入国日から90日間は、入国に利用したビザの入国目的と矛盾する行動は、違反行為とみなされる危険性があるため、婚約や結婚はしてはいけません。ですが、入国90日以降であれば、婚約、結婚も問題ないということになります。この方法であれば、米国で一緒に暮らしながら、永住権の面接も一緒に受けることができます。 この二つの方法は、どちらの方法が優れているということではなく、当事者の考え方次第で選択が変わります。例えば、手続きをしている間も、一緒に暮らしたい方々は、2番目の方法を選択されますし、米国外にある米国大使館でのプロセスはより迅速かつ効率的に進む傾向にあるのですが、結果的に早くグリーンカードを取得、落ち着いた結婚生活を一刻も早く始めたい方々は、1番目の方法を選択されます。 弊社では、それぞれの状況を詳しく伺い、どちらのオプションが最適なのかを判断するお手伝いをさせていただいております。ブランドン・バルボ法律事務所まで、是非、お問合せください。全てのプロセスにおいて、あなたの結婚をサポートさせていただきます。

混乱を招きがちなL-1ブランケットビザの各種書類

海外の企業が従業員を米国に転勤させる方法の一つに、Lブランケットビザがあります。このLブランケットとは、海外にある多国籍のグループ企業から米国企業へ、企業内転勤者として従業員を異動させることができるプログラムです。このビザの主な利点は、個々の駐在員ごとにLビザ申請をする必要がなく、グループ企業全体で駐在員を異動させることが容易にできる点です。その上、通常、数ヶ月かかるビザ取得までの期間を、数週間、場合によっては数日にまで大幅に短縮できるのも魅力です。 Lブランケットビザは、海外のグループ企業から多くの従業員を米国へ異動させたいと考える、大きな企業グループ向けのビザです。企業グループとしてLブランケットを取得するには、米国移民局にLブランケット請願を申請しますが、申請資格は次のとおりです。請願者となる米国企業は、最低1年以上ビジネスを行っていること、米国企業、関連会社、子会社が米国内外合わせて少なくとも3拠点あること、米国の総売上高が少なくとも2,500万ドル以上あること、です。Lブランケットが承認されましたら、企業内転勤者となる従業員は、居住国の米国大使館または領事館でL-1ビザステッカーをすぐに申請することができます。 ビザ取得のプロセスが順調に進むと、あっという間に渡米の日がやってきます。米国に到着すると、空港で入国審査官が出迎えてくれますが、彼らが確認する書類は、以下のとおりです。 ビザ、この場合はL-1ブランケットビザ Form I-129S:米国の雇用条件を記載した申請書類 到着日から6か月以上期間の残っているパスポート 入国審査官が入国を許可すると、Form I-94(出入国記録)が発行されます。 つまり、この時点で、合計4つもの書類があることになり、無論、すべての書類が必ず有効期限内でなければならないわけですが、実は、これら4つの書類は、多くの場合、それぞれで有効期限が異なっているのです。これが、L-1ブランケットビザが混乱を招く大きな原因となっています。例えば、空港の入国審査官は、駐在員が海外出張から米国へ戻り、入国審査を受けるたびに、3年間有効のI-94を発行することがよくありますが、このI-94の期限が、5年間有効のビザステッカーの期限よりも短い場合もあれば、逆にビザステッカーの期限が近くなれば、ビザステッカーの期限よりも長くなる場合もあります。また、Form I-129Sは、通常、発行日から2年または3年で失効します。そのため、万一、駐在員がこれら4つの書類の有効期限のいずれかひとつでも見逃してしまうと、移民法上では「不法滞在者」という扱いになってしまうわけです。 さらなる混乱の原因としては、これらの申請書類は大概、人事担当者が作成しているため、駐在員本人はこの複雑さを認識していないことがよくあります。もしも、人事担当者が有効期限をひとつでも見逃した場合、駐在員は帰国しなくてはならないということを、当の本人は知りもしない、ということもあるかもしれません。こうした非常に煩雑な書類の仕組みをきちんと理解するためには、それぞれの立場の関係者が互いにしっかりとコミュニケーションを取る必要がありますが、これは口で言うほど簡単なことではありません。 Lブランケットを持つ企業の人事担当の皆さん、これは、駐在員の生活、ひいては彼らの人生を大きく左右してしまう問題にもなりかねません。私たちは、ビザ申請の一連のプロセスを監督し、引き続き、全ての書類の有効期限をトラックすることで、駐在員の皆さんが法的に正しく過ごせるよう、常に確認しています。ご相談のある方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

永住権申請での面接を成功させる5つのポイント

昔から伝わることわざの「備えあれば憂いなし」は、皆さんも、日頃、実践しているこ とと思います。例えば、家を出る前に予め目的地を調べておく、献立内容を考えてから 食料品を買う、観たい映画を決めてからNetflixを開く、といった具合に。永住権申請の 面接を受ける場合も同じで、何も知らずに面接に臨むのではなく、事前に面接の準備を しておくほうが良いですよね。 米国移民局での面接は決して怖いものではありませんが、やはり真剣に取り組まなくて はなりません。面接に何を持っていく必要があるのか、面接がどのようなものかを理解 するために、ほんの少しだけ努力が必要です。不意をつかれてしまわぬよう、事前に十 分な準備を整えるに越したことはありません。それでは、さっそく、面接を成功させる ための5つのポイントをご紹介しましょう。 時間に遅れない とても当たり前のことですが、最も大切なことかもしれません。もしも、面接時間に遅 れた場合、それだけで、面接官はケースを却下することができるのです。つまり、面接 の時間通り、むしろ、それよりも前に現場に到着している必要があります。渋滞状況も 見越して、時間よりも早く到着するように計画してください。ギリギリになって慌てて しまうよりも、駐車場に止めた車の中で、数分待つぐらいのほうが断然良いです。 適切な服装をする 面接は法的なプロセスの一部ですから、適切な服装をしているということは、プロセス を真摯に受け止めていることを示めすことにつながります。何もタキシードやドレスを 着る必要はありませんが、ビーチサンダルに、ショートパンツ姿は絶対に避けましょう 。面接では、控えめで清潔感のある服装をするのが最も適切です。 嘘をつかない、ごまかさない 面接で一番大事なのは正直であることです。答えがわからない質問をされた場合、無理 に答えを作り上げてはいけません。予想で答えるのではなく、素直に「わかりません」と 言いましょう。期待に応えようなど、面接官の機嫌を取るのではなく、正直であること が大事なのです。また、質問内容が理解できない場合は、面接官に説明してもらい、き ちんと内容を理解した上で答えるようにしましょう。 書類のコピーの用意 面接の準備をするということは、面接に持参すべき必要書類を用意するということです 。もっと言えば、書類の原本と、面接官へ提出するためのコピーの両セットを必ず用意 しましょう。必要なものを揃えて持っていれば、プロセスを円滑にします。そのことが 、責任感がある、積極的に行動していると、アピールすることにつながるのです。 […]

L-1ブランケットビザとは

外国人労働者が米国で働くためには、いくつもの方法がありますが、その中のひとつに、L-1ブランケットビザがあります。これは年間の売上が2500万ドルを超える大企業向けのビザで、通常のL-1ビザと同じく、役員もしくは管理職のためのL-1A、専門職のためのL-1Bの2種類があります。

E-2ビザについて考慮すべき点

もしも、米国企業に相当額の投資を考えているのであれば、投資家ご本人やその配偶者、さらには重要なポジションの従業員の方々はE-2ビザを取得できるかもしれません。ですが、E-2ビザ申請を検討している方々の中には、

新しい規則によるH-1Bビザプログラムのさらなる厳格化

近年、H-1Bビザへの需要は、米国政府が発行する年間85,000枠の供給を上回ってきました。10月初旬、連邦政府機関よりH-1Bカテゴリに対する新規則が発表され、「特殊技能職」に従事する外国人がH-1Bビザを取得することはより困難になるとされています。