外国人が米国で就労する際、その配偶者も共に渡米することはよくあることですが、配偶者の就労については、自動的に認められているわけではありません。
よくある例は、ある外国人に米国での就職が決まりました。その配偶者も共に渡米したものの、次第に家にいることに飽きてしまい、元々は米国で働くつもりはなかったけれども、仕事を見つけようと考え始める、という状況です。そのような場合、その配偶者は、まず、労働許可証を取得しなくてはなりません。
米国では、永住権のない外国人が合法的に就労するためには、米国移民局が発給する労働許可証を所持し、就労時には、雇用主に労働許可証を提示しなくてはなりません。
労働許可証は、受け取った時点から最長2年間有効です。許可証を更新することは出来ますが、現在、手続きに5〜6ヵ月程を要しているため、カードの有効期限の6ヶ月前には更新のための申請をしたほうが良いでしょう。
なお、E、H、Lビザ保持者の配偶者であれば、労働許可証を申請できますが、他の扶養家族については該当しません。ここでは、E、H、Lビザ保持者の配偶者の労働許可証についてのみ言及していますが、労働許可証は、実はその他のタイプのビザ保持者にも発給されるもので、それぞれのタイプごとに、まったく異なるルールが設けられていますので、注意が必要です。
ところで、物理的には米国に滞在しているものの、母国にある会社でバーチャルに働く場合はどうでしょうか? 労働許可証を持たずに、米国からリモートで出来る仕事を母国で探す、という状況は、近年よく見受けられるようになりました。このような状況の合法性は、少々曖昧なところがありますので、後々トラブルに陥らないよう、安全を期して、労働許可証を取得しておくことをお勧めします。
また、物理的に米国に滞在していれば、米国で税金を納めることになります。そして、税金を納めるためには、ソーシャルセキュリティー番号が必要で、その番号を得るためには、労働許可証が必要になります。
E、H、Lビザ保持者の配偶者の皆さんは、いつでも合法的に就労できるよう、労働許可証を取得しておくことが賢明です。この許可証があれば、米国内での就労はもちろん、事実上、他国での就労も可能になります。最後に、許可証の有効期限6ヶ月前には更新手続きを、くれぐれもお忘れないように。
労働許可証やその他の移民問題についてのご相談は、ブランドン・バルボ法律事務所まで、お気軽にお問い合わせください。