海外旅行中にグリーンカード紛失 ―これは、米国で暮らす永住権保持者にとっては悪夢も同然です。ですが、実際に海外でグリーンカードを紛失した場合、どうすれば良いのでしょうか? 海外でグリーンカードを紛失した場合と、うっかり米国内にグリーンカードを置いてきた場合とでは違いがあります。
米国へ戻るためには、在留資格の証明が必要ですから、海外でグリーンカードを紛失した場合は緊急な対応を要します。一方、グリーンカードを持たずに米国を出国した場合、米国内の誰かにグリーンカードを取りに行ってもらう、または、航空会社の係員にグリーンカードのコピーを提示、説得し、搭乗を許可してもらうこともできるかもしません。
米国税関・国境警備局 (CBP) は、入国者が必要書類を保持していない場合に罰金を科すこともありますが、実は、必要書類の確認を怠った航空会社のほうが、より罰金を科せられるリスクを負っています。また、実際に罰金を科すかどうかは、CBPの審査官の判断に委ねられています。
グリーンカードなしで搭乗するには
上述の理由から、米国へ戻ろうとする時にグリーンカードがないことに気づいた場合、一番のハードルとなるのが、実は航空会社なのです。航空会社は、乗客が入国に必要な書類を所持しているかどうかを確認する義務があり、仮に、必要書類がないにも関わらず、その乗客の搭乗を許めた場合、多額の罰金を科せられます。
グリーンカードを持たずに渡航した個人にも罰金が科せられることもありえますが、少なくとも入国は許可されるでしょう。そのため、こうした状況に直面した場合は、できれば、グリーンカードのコピーを提示して航空会社を説得することです。もちろん、必ずしも搭乗や入国できる保証はありませんが、どうしてもグリーンカードを手元に用意できない、または、グリーンカードが全く見当たらない場合に試みる価値はあるかもしれません。
グリーンカード紛失後の対処
海外滞在中にグリーンカードを紛失してしまった場合は、直ちに米国大使館または領事館にForm I-131A (Application for Carrier Documentation)を申請してください。これは、米国へ戻る資格があることを航空会社に証明する、一時的な渡航書を発給してもらうための申請書類です。
ただし、このForm I-131Aを申請できるのは、米国外での滞在期間が1年未満で、グリーンカードを紛失、盗難、または破損した場合です。滞在期間が1年以上超える場合は、米国永住権を放棄したと見做される可能性があるため、Form I-131Aは申請しないことが重要です。その代わりに、帰国居住者ビザ(SB-1)を申請する方法がありますので、まずは米国移民法の弁護士に必ず相談してください。
移民法に関する手続きを適切かつ専門的にサポート
米国へ戻ろうとする日の空港で、グリーンカードを紛失した、または、忘れてきたことに気付く、という場面は、想像するだけでもぞっとします。ですが、実際にその場面に直面する人がいることも事実なのです。
ブランドン・バルボ法律事務所では、クライアントの皆様が米国へ問題なく再入国できるよう、最新情報や必要な法的アドバスをお伝えすると共に、必須書類の有無、書類の有効期限など、渡航に必要な状況が整っているか確認するお手伝いをします。包括的なサポートとガイダンスについては、どうぞ、弊所までお気軽にお問い合わせください。