バイデン大統領、過去数十年で最大規模の新たな移民政策を発表

先日、バイデン大統領とホワイトハウスは、移民政策に関する抜本的な変更を発表しました。米国へ不法に入国し、米国市民と結婚した配偶者およびその子どもが、今後数か月以内に、米国内で合法的に永住権を申請できるよう計画しているというものです。これは、従来のプロセス上では欠かせなかった「3年から10年間、米国への入国を禁ずる」というルールを覆す、大きな一歩となる計画です。

新たな移民政策の内容とは?

これまでは、米国市民と結婚した不法入国者およびその子どもが永住権を申請する場合、はじめに米国を出国する必要があり、いかなる理由であれ、出国後3年から10年間は米国への入国が禁止されていましたが、バイデン政権が発表した新しい移民政策によれば、長期間米国外で過ごさずとも国内で永住権を申請でき、いずれは米国市民権の申請も認められます。

この計画は6月中旬に正式に発表され、50万人以上の人々に影響を与えると予測されています。来たる米国大統領選挙で政権が変わる可能性もあるため、政権交代前にできるだけ多くの該当者がこのプログラムに申請するよう、ラテン系団体は迅速に行動を起こすことでしょう。

大統領選挙の行方が与えうる影響

今度の大統領選挙の結論によっては、今回の改革や他の革新的な移民改革が大きく左右されることは容易に予測でき、その行方は非常に注目されています。バイデン政権では南部国境において強硬路線をとっていましたが、今回の計画は、同政権が実施した改革の中で最も抜本的、革新的な改革と言えます。

一方、ドナルド・トランプ陣営とその支持者たちは、厳格な国境政策および移民政策への回帰を示す、反移民的な論調を繰り返しているため、もしもトランプが2期目の就任を果たした場合、これらの改革が即座に撤回される可能性は極めて高いでしょう。

今回の政策の最大の懸念のひとつは、もしもトランプが大統領に就任し、このプログラムが撤回された場合、申請した人々の名前と居場所は米国移民・関税執行局 (ICE)に共有され、その結果、強制送還の手続きが実施される可能性がある点です。こうしたリスクから、家族がこのプログラムを利用すべきか、不法滞在のプライバシーを守るべきかの選択を迫られることになります。

家族のための正しい選択

このように、移民政策の突然の変更や大統領選挙の行方が、移民とその家族に与える影響は計り知れず、緊急性を要することもあります。バイデン政権による今回の計画は、DACA(若年移民に対する国外強制退去の延期措置:オバマ政権下で導入された移民政策の一つ)をも上回る大きな変更であり、身を取りまく状況や在留資格、市民権への資格が、昨日と今日では一変しうることを浮き彫りにしています。もし、トランプが次の選挙で勝利した場合も、同様に急激な変化をもたらすことになるでしょう。

現在の政策、そして、自身と家族の状況に基づいて、正しい選択をすることが不可欠です。ブランドン・バルボ法律事務所では、個々の状況に応じ、米国政府による政策、プログラム、そして移民法を正しく理解し、何が最適かを選択するためのお手伝いをします。どうぞ、いつでもお気軽にご相談ください。

By Brandon Valvo