近年、H-1Bビザへの需要は、米国政府が発行する年間85,000枠の供給を上回ってきました。10月初旬、連邦政府機関よりH-1Bカテゴリに対する新規則が発表され、「特殊技能職」に従事する外国人がH-1Bビザを取得することはより困難になるとされています。
H-1Bビザの対象者とは?
H-1Bビザは、特定のスキルを備えた外国人労働者のためのビザです。 H-1Bビザ保持者は少なくとも学士号を有しており(多くの人はそれ以上の学位を有し)、専門性の高いレベルの仕事に従事しています。テクノロジー企業やSTEM分野関連の企業が、このH-1Bビザをよく利用しています。 また、H-1Bビザ85,000枠のうち、20,000枠は米国の修士号または博士号を有する外国人労働者のために割り当てられています。
新規則により何が変わるのか?
簡単に言えば、H-1Bビザプログラムを利用したい米国の雇用主には莫大な費用がかかるようになります。即時施行された米国労働省の新規則によれば、雇用主はエントリーレベルの労働者に、その業界の45パーセンタイルの賃金を支払わなければなりませんし、 以前であれば業界の67パーセンタイルの賃金を受け取らなければならなかった高技能労働者には、今後は業界の95パーセンタイルの賃金を約束しなければなりません。
また、新規則では、H-1Bビザプログラムの脈絡における「特殊技能職」の定義を狭めています。 米国移民局によれば、一般的な学位(リベラルアーツなど)は、特殊技能職への資格を満たすには十分ではないとしていますし、さらに、今回の新規則により、H-1Bビザの職務は、学位に直接関連していることが求められるようになります。
今回、米国国土安全保障省、米国移民局、米国労働省など、複数の連邦政府機関がH-1Bビザプログラムに関する修正点を発表しました。 これらは、COVID-19によるパンデミック下において、米国市民の労働と雇用機会を守ることを目的としており、特定の業界での賃金停滞を示すとされる統計も引用されています。
これからどうなのか?
米国労働省の規則は2020年10月13日時点でも引き続き有効ですし、米国移民局の規則は60日以内に施行されることになっています。米国の雇用主と大学の卒業生にとって、H-1Bビザプログラムをよりお金のかかるものにするだけでなく、連邦政府機関がH-1Bの新規則の執行に新たな関心を寄せていることが伺えます。
連邦政府は、今回の変更に伴い、H-1Bビザの請願数は従来の3分の1に減少すると推定しています。 この新規則のタイミングと内容は政治的な動機がある、この変更はすぐに裁判沙汰になるだろう、と考える人もいます。 弊社としては、この変更が最終的には取り消されると信じていますが、それがいつになるのかは分かりません。
今後も、弊社は、あなたの会社のニーズに応じ、海外からの有能な人材や才能を見い出し、確保していく方法を共に模索していきます。弊社がどのようにお手伝いできるか、まずは、お気軽にお問合せください。また、私たちは連邦政府機関と戦っていくことに恐れもありません。 バルボ法律事務所があなたへ何ができるか知りたくはないですか? 是非、弊社チームとのコンサルテーションをお申し込みください。