2024年1月30日、米国移民局(USCIS)は、移民申請に関するほぼ全ての申請料の大幅な値上げを発表しました。2024年4月1日より適用される新しい申請料は、すべての企業に大きな負担を強いるものとなっています。今回の発表は、昨年12月27日に発表された、プレミアム・プロセッシング・サービス(特急申請)の申請料値上げに追随する形となりました(こちらは2024年2月26日より適用)。
2024年1月の申請料値上げの発表
米国移民局は、隔年で実施される包括的な申請料見直しの結果、運営コストが大幅に上昇していると主張しています。その理由は多岐に渡るもので、人道支援プログラムの拡大、需要の増加、プロセス期間の長期化、職員の増員などを挙げています。また、予算削減により、岐路に立たされていることから、申請料を調整しなければ、サービスレベルや、プロセスへの効率は低下し続け、現状のバックログを鑑みると、プロセス完了までの待ち時間が更に長期化するとしています。
現行の申請料の調整、特定の申請に対する新たな申請料の導入、Form I-129請願書(非移民労働者のための請願書)に対する、ビザクラス別の申請料の設定、特定のフォームに対する受益者制限の設定など、広範囲に及ぶ変更が提案されましたが、移民局は、これらの変更が実施されなければ、申請者や請願者に対するサービス基準を十分に満たせないリスクが高まり、プロセス期間はより長期化し、さらなるバックログの原因にもなる、としています。
企業に対し、亡命プログラムへの支援を要求
外国人の就労ビザをサポートする際、その請願者となる雇用主は、Form I-129請願書を提出しますが、こちらの申請料が、次のように大幅に値上げされます。
H-1Bビザ従業員の場合、460ドルから780ドルへ、70%の値上げ。
L-1ビザ従業員の場合、460ドルから1,385ドルへ、200%の値上げ。
E-1/E-2/E-3ビザ従業員の場合、460ドルから1,015ドルへ、120%の値上げ。
さらに、これら申請料の値上げに加え、すべての非移民、および、移民申請をサポートする雇用主には、新たに追加導入される申請料が課せられることになりました。これが、亡命プログラム助成金への使途を目的とするAsylum Program Filing Fee (600ドル)です。
一方、フルタイムの従業員数が25人以下の企業では、申請料の値上げ率はやや低めに設定されています。
ブランドン・バルボ法律事務所は、米国移民情勢の変化が、申請者、および、企業に経済的な負担を与えることも認識しています。移民プロセスに関わる、こうした変化を乗り越えるためのガイダンスについては、弊社までお気軽にお問合せ下さい。