米国市民の配偶者が永住権を取得する際、グリーンカード発給時に婚姻期間が2年未満である場合は、2年間の条件付きグリーンカードが発給されます。この条件を取り外し、10年間有効のグリーンカードへ更新するための手続きを I-751申請といいます。
昨今、米国移民局において、このI-751申請においても、大幅な遅延が生じています。米国移民局でのI-751申請に対するプロセス期間は、以前は8~12ヶ月ほどでしたが、現在では、実に4年近くもの期間を要しているのです。この状況に対し、I-751を申請した永住権保持者には、幸いにも、ステータス(滞在資格)の延長措置が講じられましたが、もうひとつ、考えられる方法があります。それは、米国市民権を取得することです。
グリーンカードの有効期限の延長
米国移民局は、I-751申請者のグリーンカードの期限がより長く延長されるよう、申請書類の受理後に発行するReceipt Notice(受理通知書 / Form I-797)上の記載内容を変更しました。
その変更とは、I-751を提出すると、手元にあるグリーンカードの有効期限が48カ月延長される、というものです。なお、今回の変更前にI-751を提出した申請者であっても、同様に48カ月の延長措置を受けることができます。
この48カ月の延長措置により、 I-751申請の手続きが完了するまでの約4年間は、米国内での就労および米国外への渡航が保証されます。とはいえ、プロセスにこれだけの期間が掛かりますから、条件付グリーンカードの有効期限が90日前になったら、すぐにI-751を申請したほうが良いでしょう。
延長措置の間に、米国市民権を
しかしながら、この米国移民局による、48カ月の延長措置とプロセスに要する期間は、本来の目的をほぼ破綻させていると言っても過言ではありません。というのも、米国市民の配偶者として永住権を取得した場合、3年後には米国市民権を申請することができるからです。
つまり、I-751を申請、48カ月の延長措置を受けつつ、プロセスの完了を待つ一方で、I-751申請から1年後に米国市民権を申請、さらには取得も不可能ではない、ということになります。米国移民局も、この状況を考えれば、“プロセス期間4年”の現状に対し、早急に対策を講じる必要があると考えざるを得ないのではないでしょうか。
ブランドン・バルボ法律事務所は、米国でのステータスを合法的に維持することをはじめ、米国市民権取得のお手伝いもしております。複雑な米国移民法の問題に直面している方、長期に渡るプロセスの遅延がご自身やご家族、ビジネスにどう影響を及ぼすか不安に思う方は、お気軽に当事務所までご相談ください。