エグゼクティブサマリー 人事部門は、E-2ビザの更新申請において、雇用実績、給与記録、事業の発展状況、今後の雇用計画を証明する上で重要な役割を担います。更新申請には、説得性を持たせるため、IRSへの給与税申告書、最新の組織図、事業成長を示す指標などが必要ですが、それには財務部門・経営陣との早期連携が不可欠です。企業は、更新予定の時期の12~24か月前から準備を始めることが望まれます。 E-2ビザの更新では、多くの企業が期限に近づいてから準備を始める傾向があります。また、「利益が出ていれば更新も問題ないだろう」と、楽観的に考えてしまうケースも少なくありません。 しかし、E-2ビザの更新に必要なのは、楽観的な見通しではなく、客観的な書類です。米国政府は、米国移民法(INA)第101条(a)(15)(E)およびEビザの要件に基づき、企業が現在も実体のある事業を継続していること、かつ、米国経済に貢献していることを証明する書類を求めます。事業が投資家本人とその家族の生活を支える程度の規模に留まっていれば問題視されるかもしれませんし、一方、米国内で雇用を生み出し、経済に貢献していることを示せれば、説得力が増し、審査に対して有利に働きます。 更新申請を成功へと導く書類の多くはHRが管理していることも多く、そのためHRは非常に重要な役割を担っているといえます。 組織図は常に最新の状態に 意外と見落とされがちですが、組織図は更新の審査における重要な書類の一つで、前回の申請時の内容と現在の組織体制が比較されます。古い組織図のままでは、誤解や混乱を招く恐れがあります。 例えば、部署の規模が拡大しているか、管理職のポジションが増えているか、レポートラインに変更があるかといった点も確認されます。 事業が成長すれば、組織体制が変わることは自然なことで、実際の体制と提出する書類の内容が一致していることが重要です。 特に、米国事業を拡大し、日本本社と米国法人の役割分担や管理体制が変わった企業では、最新の組織図を整備しておくことで、事業の成長、組織の成熟度、そして事業の実態を分かりやすく示すことができます。 2. 雇用実績の証明 E-2ビザの更新では、実際に米国で雇用を創出していることが、最も重要な要素の一つとなります。そのため、HRでは以下のような書類を整理・保管しておくことが望まれます。 給与記録 オファーレター 職務内容 入社手続きの関連書類 雇用契約書(該当する場合) また、税務関連書類も重要で、Form 941, Employer’s Quarterly Federal Tax Return(雇用主の四半期連邦税申告書)は、実際に給与が支払われていることや従業員数を示す書類として活用できます。「従業員を雇用しています」と説明するだけでなく、それを裏付ける客観的な証拠を準備しておくことが大切です。 3. 事業成長を裏付けるデータを記録しておく 更新の審査では、単に従業員数だけでなく、事業が成長しているかどうかも確認されます。以下のような成長を示すデータを記録・管理しておけば、更新申請の確度を高めることにつながります。 採用人数の増加 従業員の定着率 部門の拡大状況 求人中のポジション […]