移民手数料の最新動向:ESTAからビザ・インテグリティ・フィーまで

概要:2025年、ESTA(電子渡航認証システム)の手数料は40ドルへ値上がりし、さらに同年10月1日には、250ドルのビザ・インテグリティ・フィー(Visa Integrity Fee)が新たに設けられました(現時点ではまだ徴収は始まっていません)。米国の移民手数料は、今後も値上げされる傾向にあり、企業やビザ申請者は、近い将来、さらなる費用が発生することを見越した上、予算を組む必要があります。

米国ビザの申請や渡航にかかる費用はすでに負担の大きいものですが、今後さらにその負担が増えるかもしれません。国土安全保障省(DHS)や米国移民局(USCIS)は、新たな手数料の導入や既存の手数料の値上げを進めており、その影響はESTAを利用する観光客の方々から、就労ビザを申請する企業まで、幅広くに及びます。とりわけ、2025年10月1日に導入された250ドルのビザ・インテグリティ・フィー(Visa Integrity Fee)なる新たな費用は、まだ施行はされていないものの、今後の実施に向け、注目すべき大きな変更点といえます。

ESTA手数料が40ドルへ値上げ

日本をはじめ、ビザ免除プログラム(Visa Waiver Program)に参加している国の国民は、ESTA(電子渡航認証システム)を利用し、ビザを取得せずとも米国への入国が認められています。2025年、ESTAの手数料は従来の21ドルから40ドルへ値上げされました。一見すると、20ドル程度の少額な値上げのようにも見えますが、実際はほぼ2倍となる大幅な値上げです。このように、近年の移民手数料は従来と比べ、値上げ率が高く、改定される頻度も多くなる傾向にあります。

250ドルのビザ・インテグリティフィーとは?

2025年10月1日、ビザ申請1件につき250ドルのビザ・インテグリティ・フィー(Visa Integrity Fee)という新たな手数料が設けられました。

現時点では政府側に支払いを処理・管理するシステムが整っていないことから、徴収はまだ始まっていませんが、施行されることはすでに決定しています。

この手数料は非移民ビザの申請者全般に適用され、その目的は「ビザ制度の整合性や適正化を支持するため」とし、具体的な説明はありませんが、企業や従業員、申請者にとって新たな負担となることは間違いありません。

手数料改定は今後も続く

これまで長年にわたり、米国の移民関連の手数料は比較的安定していました。しかし、現在は、インフレ、政策の変化、行政再編を背景に、頻繁かつ予測不可能な手数料値上げの時代に入りつつあります。

就労ビザカテゴリーの申請者には直接的な影響はないかもしれませんが、最近、米国移民局(USCIS)は、亡命関連の申請や労働許可証(EAD)の手数料の値上げを発表しました。しかし、これらの値上げに止まらず、今後も手数料は頻繁に見直され、改定されていく見込みです。

さらに、既存の手数料の値上げだけでなく、ビザ・インテグリティ・フィーのような全く新しいカテゴリーの手数料が、ほとんど予告なく新たに設けられることも予想されています。

企業や日本企業にとっての影響

今後、日本の企業が従業員を米国へ派遣する場合、1件のビザ申請(Eビザ、Lビザなど)で、数百ドル単位の追加コストがかかるようになります。さらに厄介なのは、こうした変更が事前に周知されず、運用も不十分であることが多い点です。ビザ・インテグリティ・フィーを例にとると、2025年10月1日に規則が発効されましたが、支払いのシステムはまだ整っていません。システムが稼働すれば、手数料を遡って請求されたり、支払いが完了するまで案件を保留される可能性もあり、正直なところ、どうなるかはまだ誰にも分かりません。

本年度の従業員の米国派遣を計画する時には、手数料の値上げ分も見越した、余裕のある予算を組むこと、そして、新たな手数料が導入される際には事務的な混乱が起こり得ると、心の準備をしておくことが大事です。

ESTA利用者も無関係ではない

ESTAを利用する旅行者にとっても、近年の傾向は無視できません。ESTA申請料も40ドルへ値上げされましたが、これまで比較的手軽に利用できた渡航オプションもまた、費用面での負担が徐々に伴いつつあることを意味しています。

そもそもESTAには大きな制約があり、90日以内の滞在、延長不可、加えて就労も認められていません。そこに手数料の値上げや、近年の入国審査の厳格化が重なり、ビジネスミーティングなどで頻繁に米国を訪れる人にとっては、もはやESTAは合理的な選択肢ではなくなりつつあります。

多国籍企業の人事担当の方々、初めてE-2ビザを申請する企業にも、伝えたい内容は同じです:ビザ費用は上昇し、その上、新たな手数料が十分な予告、説明、準備もままならないまま導入されていくーーこれが米国の移民料金制度の現状です。それでも企業や申請者は、こうした現状に迅速に適応し、対応していくしかないのです。

今後のビザ申請に向けたプラン、増加する手数料を見越した予算管理など、最近の動向や費用の全体像についてのご質問は、弊所までお気軽にお問い合わせください。

By Brandon Valvo