貿易駐在員と投資駐在員 (E-1、E-2) –Eビザの一般的な資格
Eビザは、米国と通商条約を締結した国の国民が取得できるビザです。Eビザには、貿易駐在員用のE-1ビザと投資駐在員用のE-2ビザがあります。
Eビザの発給を受けるためには、まず、米国法人を誰が所有しているのかが重要です。米国法人の過半数以上を、外国籍の法人あるいは個人(または個人集団)が所有していれば、その所有者と同じ国籍の個人投資家・個人貿易家、および、駐在員がEビザを取得することができます。過半数すなわち、米国法人の株式の50%以上は、外国籍の法人あるいは個人(または個人集団)が所有していなければなりません。例えば、米国法人が、日本法人または日本人が過半数以上所有している場合、もしくは、日本法人の子会社である場合、Eビザステータスを得ることができるのは、日本国籍の人、ということになります。
Eビザを取得できるのは、米国法人で、役員または管理職のポジションに就く方、あるいは、会社の商品、市場戦略、海外での企業運営等、その米国法人にとっては不可欠で専門的な技能、技術、知識を持つ方、もしくは米国内で容易に見つからない知識を持つ方となります。
Eビザの申請者は、Eビザステータスの期限満了後には、すみやかに米国を離れる意思があることを示さなくてはなりませんが、米国内でEステータスを延長する、もしくは、米国外でEビザステッカー (パスポートに貼られる査証) を更新することができるかもしれません。
Eビザ保持者が永住権を申請する場合でも、Eステータスを延長したり、また、Eビザステッカーを更新することができるかもしれません。
貿易駐在員と投資駐在員:Eビザが認可されている条約国のリスト
以下は、米国がEビザ申請を認可している条約国のリストです。
E-1ビザが認可されている条約国
アルゼンチン | オーストラリア | オーストリア | ベルギー |
ボリビア | ボスニア・ヘルツェゴビナ | ブルネイ | カナダ |
チリ | 台湾 | コロンビア | コスタリカ |
クロアチア | デンマーク | エストニア | エチオピア |
フィンランド | フランス | ドイツ | ジブラルタル |
ギリシャ | ホンジュラス | イラン | アイルランド |
イスラエル | イタリア | 日本 | ヨルダン |
韓国 | ラトビア | リベリア | ルクセンブルグ |
マケドニア | メキシコ | オランダ | ノルウェー |
オマーン | パキスタン | パラグアイ | フィリピン |
シンガポール | スロバニア | スペイン | スリナム |
スエーデン | スイス | タイ | トーゴ |
トルコ | イギリス |
E-2ビザが認可されている条約国
アルバニア | アルゼンチン | アルメニア | オーストラリア |
オーストリア | アゼルバイジャン | バーレーン | バングラデシュ |
ベルギー | ボリビア | ボスニア・ヘルツェゴビナ | ブルガリア |
カメルーン | カナダ | チリ | 台湾 |
コロンビア | コンゴ(ブラザビル) | コンゴ(キンシャサ) | コスタリカ |
クロアチア | チェコ | エクアドル | エジプト |
エストニア | エチオピア | フィンランド | フランス |
ジョージア | ドイツ | グラナダ | ホンジュラス |
イラン | アイルランド | イタリア | ジャマイカ |
日本 | ヨルダン | カザフスタン | 韓国 |
キルギス | ラトビア | リベリア | リトアニア |
ルクセンブルク | マケドニア | メキシコ | モルドバ |
モンゴル | モロッコ | オランダ | ノルウェー |
オマーン | パキスタン | パナマ | パラグアイ |
フィリピン | ポーランド | ルーマニア | セネガル |
シンガポール | スロバニア | スペイン | スリランカ |
スリナム | スエーデン | スイス | タイ |
トーゴ | トリニダード・トバゴ | チュニジア | トルコ |
ウクライナ | イギリス |
貿易駐在員と投資駐在員: E-1ビザの条件–相当額の貿易
米国法人が貿易駐在員の資格を得るためには、相当額の商品やサービスの貿易取引が、米国と条約国の間で主に行われていなければなりません。
「相当額の貿易」とは、商品またはサービスの貿易取引が、系統的に行われていることを意味します。取引の量、金額、継続性、大きさなどから、相当額の貿易に値するかどうかが判断されます。先物取引も貿易としてみなすことはできますが、E-1ビザを申請する前には、すでに貿易取引が行われていなければなりません。また、国際貿易の50%以上が、米国と条約国の間での取引であることが必須条件となります。
貿易駐在員と投資駐在員: E-2ビザの条件–相当額の投資
米国法人が投資駐在員の資格を得るためには、米国内での投資が相当額のものであり、投資のための資金は合法的に得られたものでなければなりません。
「相当額の投資」とは、損失のリスクを伴うものであり、ビジネスそのものの価値、または新たなビジネスを始めるための資金全体を大きく占め、なおかつ、ビジネスを実行可能にする金額であることを意味します。また、E-2ビザを申請する前には、すでに投資が完了しているか、現在進行中でなければなりません。「E-2ビザの資格を得るための最低投資額」というものはなく、そのビジネスの内容によって、投資額が適当であるかどうかが判断されます。また、個人が投資する場合は、投資に使われる資金が、その個人の主な収入源であってはなりません。
ローンでも、そのビジネスを担保として借り入れたものでなければ、「相当額の投資」の一環として見なされる場合もあります。また、現金ではない資産、例えば、知的財産、在庫、不動産なども、投資された資本金の一環として考慮されます。
貿易駐在員と投資駐在員: Eビザの有効期限
Eビザは、通常、5年の有効期間で発行されます。また、米国への入国回数に対する制限はなく、5年の間、そのEビザを使って、何回でも米国へ入国することができます。ただし、米国とその条約国との間で取り交わされた合意内容に基づき、5年よりも短い期間で発行される場合もあります。Eビザは、米国法人の根本的な要素 (所有者等)が、最初に申請した時と同じ状況を保っている限り、何回でも更新することができます。
Eビザ保持者は、米国へ入国するたびに、通常、入国日から2年間の滞在有効期間が与えられます。ただし、2年よりも短い期間が与えられる場合もありますので、米国へ入国後は、毎回必ず、Form I-94 (米国出入国記録)の有効期限を確認することがとても重要です。
貿易駐在員と投資駐在員: Eビザの申請方法
Eビザの申請は、その申請者の国籍もしくは居住地の国にある米国大使館・米国領事館へ直接申請します。それぞれの米国大使館・米国領事館で、Eビザの申請書類の提出方法について独自のルールを設けているため、申請前にそのルールを確認しておくことは、とても重要です。また、どの米国大使館・米国領事館でも、Eビザ発給前には、申請者の面接が行われます。
貿易駐在員と投資駐在員: 米国内でEステータスへ変更する
他の種類のビザを保持しながら、すでにアメリカ国内に滞在している場合、米国移民局 (USCIS) に、Eビザへステータスを変更する申請ができます。ステータス変更の承認が得られるまで、Eステータスとして就労することはできません。米国移民局 (USCIS) は、ステータス変更を承認次第、Form I-797 (許可通知書) を発行します。通常、Eステータスは、2年の有効期間で承認されます。
Form I-797 (許可通知書) を受領次第、Eビザへのステータス変更をスポンサーした米国法人で就労を開始することはできますが、このForm I-797 (許可通知書) があっても、米国を自由に出入国できるわけではありません。米国外へ出国し、Eビザステータスとして再入国するためには、米国外にある米国大使館・米国領事館で、Eビザステッカー(パスポートに貼られる査証)を申請しなければなりません。
貿易駐在員と投資駐在員: 米国内でEステータスを延長する
米国内に滞在している場合、米国移民局 (USCIS) に、Eステータスの期間延長を申請することができます。米国移民局 (USCIS) の審査結果を待つ間、同じ雇用主の元で最大240日間、就労を続けることができます。米国移民局 (USCIS) は、ステータス延長を承認次第、Form I-797 (許可通知書)を発行します。通常、承認される期間は2年間です。Eステータスの延長申請に対する回数制限はありませんので、何回でも延長申請が可能です。
Eステータスの延長を承認するForm I-797 (許可通知書) があっても、米国を自由に出入国できるわけではありません。米国外へ出国し、Eビザステータスとして再入国するためには、有効なEビザステッカー(パスポートに貼られる査証)をすでにお持ちの場合をのぞき、米国外にある米国大使館・米国領事館で、Eビザステッカーを申請しなければなりません。
Eステータス延長申請中の米国外への渡航
Eステータスの延長申請中に米国外へ出国した場合、有効なEビザステッカー(パスポートに貼られる査証)をお持ちであれば、再入国することができます。もし、Eビザステッカーの有効期限が過ぎているのであれば、米国外にある米国大使館・米国領事館で、新しいEビザステッカーを申請しなければなりません。
貿易駐在員と投資駐在員: Eビザの更新
E-1ビザ、E-2ビザ(E-1、E-2のビザステッカー)の更新は、米国外にある米国大使館・米国領事館でのみ、申請することができます。他種類のビザとは異なり、事前に米国移民局 (USCIS) から更新のための承認を得る必要はありません。米国外へ出国し、米国大使館・米国領事館で、新しいEビザステッカーを申請してください。
Eビザの扶養家族と利点
Eビザ保持者の配偶者と、21歳未満の未婚の子供には、Eビザが発給されます。米国内で学校に通うこともできますし、配偶者は労働許可を申請することもできます。
貿易駐在員と投資駐在員: Eビザ保持者の配偶者の就労
E-1ビザ、E-2ビザ保持者の配偶者は、米国内での就労が認められています。ですが、自動的に就労が認められているのではなく、まずは、米国移民局 (USCIS) に労働許可のための申請をしなくてはなりません。
労働許可の申請が承認されると、通称EAD (Employment Authorization Document)と呼ばれる労働許可証が発行されます。この労働許可証はカードの形状をしており、このカードで就労が最大2年間有効となります。Eビザ保持の状況に変更がない限り、労働許可証の更新を申請することができます。