米国市民とは、米国もしくは米国領土で生まれた人、特別な状況下では、米国外ではあるものの、両親もしくはどちらかの親が米国市民のもとに生まれた人、そして、市民権を取得して米国へ帰化した人を意味します。
生まれながらの米国市民以外の人が米国市民になるプロセスをNaturalization (帰化)といいます。
米国市民権への資格
次の条件をすべて満たせる申請者は、米国市民権を取得できる可能性があります。
- 米国永住権保持者であること
- 18歳以上であること
- 米国永住権の取得後、5年間、米国に居住していること。米国市民の配偶者の場合は、この期間が短縮される場合もあります。
- 過去5年間のうち、少なくとも50%の期間を米国内に滞在していたこと。米国市民の配偶者の場合は、この期間が短縮される場合もあります。
- 米国市民権の申請書の提出日から宣誓式の日まで、米国内に引き続き居住すること
- 限られた例外を除き、申請直前の過去5年の間、連続して365日以上を米国外で過ごしていないこと
- 米国市民権を申請した州で、少なくとも3ヶ月居住していること
- 申請直前の過去5年の間、道徳的な人物であったこと
- 米国憲法の法則に従うこと
- 米国のために、武器を持って戦うことを厭わないこと
- 米国市民テストに合格していること
- 限られた例外を除き、英語を話し、読み書きができること
特別なルール
米国市民の配偶者で、5年居住条件の期間が短縮される場合
米国永住権保持者の配偶者が米国市民の場合、居住期間5年の条件は3年に短縮されます。ですが、米国市民権を申請する時点で、申請者の米国永住権取得の際、請願者となった米国市民と、引き続き婚姻関係でなくてはなりません。さらに、申請前の少なくとも過去3年間、夫婦は一緒に暮らしていなくてはなりません。申請後は同居する必要はありませんが、帰化のプロセスが完了するまでは婚姻関係になければなりません。
なお、居住期間の条件が3年に短縮される場合、過去3年間のうち、少なくとも50%の期間を米国内に滞在していなければなりません。
連続して365日以上を米国外で過ごしていても申請が認められる場合
米国外にある米国政府、米国研究機関、貿易や通商の発展に従事する米国法人、もしくは米国が加入する公的国際機関での就労者は、連続して 365日以上、米国外で滞在していても、米国市民権を申請することが認められています。詳細は、移民国籍法 (Immigration and Nationality Act) の第 316 条 (b) をご覧ください。
さらに、婚姻関係にある米国市民が米国外の米国法人で就労している場合、その配偶者は、米国居住のいずれの条件に関わらず、米国市民権を短期間で取得することも可能です。
条件付き米国永住権保持者の場合
完全なる米国永住権保持者とは未だみなされていない、つまり条件付きの永住権保持者の場合でも、米国居住のいずれの条件も満たせる場合は、米国市民権を申請することが可能です。詳細は、移民国籍法 (Immigration and Nationality Act) の第 319 条 (b) をご覧ください。
英語能力の条件が免除される場合
次の申請者は、英語能力の条件が免除されます。
- 50歳以上で、米国永住権保持者として20年以上米国に居住している
- 55歳以上で、米国永住権保持者として15年以上米国に居住している
- 身体障害、発達障害、または精神障害があると認定されている。65歳以上で、米国永住権保持者として20年以上米国に居住している申請者の場合、米国市民テストにおいて、特別措置が適応されます。通常20問あるテストの質問数は10問となり、申請者の母国語で出題されます。さらに、10 問のうち、6問に正解すれば合格とみなされます。
米国市民権の申請手続き
申請者は、米国市民権の申請書類を米国移民局に提出します。FBI (米国連邦捜査局) の身元調査のため、米国移民局は申請書類を受領次第、最寄のApplication Support Center (ASC) で指紋採取を完了するよう、Biometrics Appointment Notice (指紋採取の手続きへの通知) を発行します。FBI の身元調査が完了次第、米国移民局は、面接、および英語と市民テストを受けるための通知を発行します。なお、ここまでのプロセスにかかる時間は、申請地域の管轄オフィスによって大きく変わります。
テストと面接に合格しますと、米国移民局は宣誓式の日程を設定します。宣誓式で米国市民としての宣誓をした後、申請者には帰化証明書が発給されます。
米国市民になりましたら、米国パスポートを申請してください。米国市民は、米国に入国の際、米国のパスポートで入国しなくてはならないと法律で定められています。米国では、他国のパスポートを所持する二重国籍を認めていますが、すべての国が二重国籍を認めているわけではありません。なお、米国は、申請者が米国市民になったことを、他国には通知しません。
米国市民になりますと、選挙権が与えられます。ただし、投票前には、有権者登録申請書 (Voter Registration Application) を提出しなくてはなりません。