連続6ヶ月以上に渡り、米国外に滞在する予定がある米国永住権保持者は、再入国許可証の申請を考慮するべきです。
米国を不在にする期間の一般的なルール
米国永住権保持者が、連続6ヶ月以上に渡って米国を不在にする場合、「米国永住権を放棄するのではない。やむを得ず、米国を不在にする」と納得させられるだけの理由がなければなりません。また、もし、連続1年以上に渡って米国を不在にした場合は、永住権を放棄した、とみなされます。中には、不在期間が連続1年以下であるにも関わらず、永住権を剥奪された、というケースも実在しますので、注意が必要です。
米国永住権保持者が、米国へ再入国する際、移民審査官がよく尋ねるのは「どれぐらいの期間、米国を出国していたか?」です。米国不在期間が6ヶ月以内であれば、特にそれ以上の質問もなく、スムースに入国できます。なお、移民審査官は、過去の国外への渡航履歴を簡単に調べることができますので、ご留意ください。
もし、米国不在期間が6ヶ月以上の場合、移民審査官は、本当に米国永住権保持者と言えるのかどうか、詰問できる権限を持っていますし、移民判事に判断を委ねる権限も持っています。
もし、米国不在期間が連続1年以上である場合、米国永住権は、移民審査官に剥奪される可能性が高くなります。
米国永住権が失効となる2通りの方法
米国永住権が失効となるには、次の2通りしかありません。ひとつは、移民判事が国外退去命令の最終判決を下した場合です。なお、この判決は、連邦裁判所に上告することができます。
もうひとつは、Form I-407という米国永住権放棄の申請書類を、在外米国大使館、もしくは米国国土安全保障省の移民管理官に提出した場合です。
再入国許可証の恩恵
「長期間、米国を不在にするものの、いずれは米国に戻り、居住する意思がある」という場合、再入国許可証は、米国での居住継続の意思を示す証拠となり、いわば、米国永住権剥奪を防ぐ「保険」のような役目を果たします。
再入国許可証を所持することで、米国政府による米国永住権剥奪は難しくはなりますが、剥奪が絶対にないとは言い切れませんので、くれぐれも米国不在期間についてはご注意ください。
再入国許可証の申請手続き
米国永住権保持者 (申請者) は、米国移民局に再入国許可証の申請をしますが、米国を出国する前までに、申請書類が受理されていなければなりません。申請書類が米国移民局に受理された日に、申請者が米国外にいた場合、申請は却下されます。
申請が承認されれば、米国移民局より再入国許可証が発行されます。再入国許可証は、パスポートのような様相をしており、2年間の有効期間で発行されます。再入国許可証には、「更新」という概念はなく、2年後には、新たな再入国許可証を申請することになります。なお、再入国許可証が2回発行された後、つまり、3度目の申請以降の再入国許可証は、2年間ではなく、1年間の有効期間で発行されます。
もし、再入国許可証の有効期間以上に米国を不在にする場合、在外米国大使館および領事館にて、特別な移民ビザの申請が必要となります。